書斎
□初デート
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昨日、8月中旬。
シンタロー君からデートのお誘いがきた。
正確にはエネちゃんからなんだけど…
『ご主人!あれから猫目さんとはどーなんですかあー?デートとか行ってぇ、んふふ、あっまーい声出してるんでしょー』
「行ってねーよそんなの。仲直りしたばっかりだし…なんとなく言い出しにくいっつーか…」
『おしっ、お誘いメール送っときましたー♪どうですっこれでご主人の恋はまた進展する…フフフ…』
「お…お前!何しやがる!!てか送るの早すぎだろ!!な…なんて書いたんだよお前…」
『えーっとー、
題名:カノさんへ
内容:もっとカノさんとイチャイチャしたいです。
デート行きたいです。
初めての夜みたいに、俺を鳴かせて下さい。
明日、一緒に出掛けましょう。
返信待ってます。
…とまぁ、こんなカンジで。』
「こんなカンジじゃねぇよっ!!お前…何してくれやがるっ…!!」
『いーじゃないですかー!全部ご主人の願望ですよ!』
「なんだと……っこのヤロウッ……!」
このメールが僕に届いたのは、お昼すぎだった。
~♪~♪
「…ん?シンタロー君から…」
そして僕はこのエネちゃん作のメールを読んだ。
『え。…え?……ええ?!嘘!やった!やぁった行くっ!』
歓喜の舞を踊りながらの返信。
もちろんオッケーの。
『あ、メール。……おっ!ご主人!きましたよ返信!ほらほら!!
題名:♪♪
内容:もちろんOK!
それにしても自分から『鳴かせて下さい』なんて…
素直でかわいーよー♪
楽しみにしてるね^^
だってご主人!よかったじゃないですか!』
「……もう知らん…」
そして待ちに待った僕たちのデートの日。
「シンタロー君!こんばんわ」
「あ…カノさん」
あのメール、エネちゃん?と聞けば、コクリと肯定する。
「まぁいいけど、どこ行きたい?映画?」
「カノさんの行きたいところで…俺は」
「ん、おっけー。あと『カノ』でいいよ?敬語もいいからさ。」
「えっ…あ、じゃあ…カノ…」
「んー?なーにー?」
ニヤニヤしながらこっちを向いた姿に、笑ってしまう。
「カノっ…にやけすぎ…っ」
「えー新鮮で楽しいんだもーん♪」
他愛もない話をしているうちに、映画館に到着した。
「……どれがいい?カノ」
「んー。あ!これ!!これこれ!」
カノが一際目を輝かせて見つけたものは、『怪人メガネ』というアクション映画。
確か、ヒーローを倒すために四苦八苦する悪者視点の映画だった気がする。
「僕これ見たかったんだー!行こう!」
「…おう」
上映開始ギリギリで、すぐに映画は始まった。
………かなり面白いじゃあないか。
期待していなかっただけ驚いた。
が、途中までは興味津々だったカノは、いつの間にか夢の中のようだ。
……俺、本人より楽しんでる気がする。
そして映画が終わるまでカノは起きる気配もなく。
「カノ、映画終わったぞ」
「…ん…シンタロ…君…?」
そのまま少しの間虚ろな目をしていたが、すぐに飛び起きた。
「え!もう終わったの?!あぁ、昨日眠れなかったから…あぁ最悪!」
「眠れなかったのか」
「デート楽しみで目が冴えちゃって…」
それでこの様だもんねー、と笑うカノに少し嬉しくなった。
人が少なくなり始めたころに、俺たちも外へ出る。
「ふあぁ…っ…次どこ行くー?」
「んー、もう夜だしな…」
どこか食べに…そう言いかけたところで、話を遮られた。
「夜だし…行くとこあるよね?」
「え…?」
突然、路地裏に連れて行かれ、壁に押し付けられる。
「鳴かせてあげるよ、シンタロー君」
「あ…あれはエネがっ……んんっ…?!」
突然服の下から手が入って突起を少し強く押される。
同時に首筋へ柔らかな唇がなぞり、吸い付いては跡を残した。
「ん…カノさっ…こんなとこでっ…ぁ…らめ…っ」
「ダメだなーシンタロー君。『カノ』だよ?…ちょっとお仕置き。」
突起をくすぐっていた手がズボンの中へ侵入してくる。
反り返った俺のモノを手のひらで優しく包み、ゆるゆると上下運動を開始した。
「ひ…んあぁっ…やめっ…カノ…っ…」
「やめるわけないでしょ?お仕置きなんだから。見てほら、こんな濡れてる」
ここは外であり、誰かに見つかるかもしれないというスリル。
その上“お仕置き”と称してカノに触られているので、俺は必要以上に感じまくっていた。
「あぁっんっ…ぃやぁっん、はぁっイっちゃっうぅっ」
「ダメだよまだー。こんなところで出したらよごれちゃうでしょ?」
「はぁっ、出し…ったい…」
わかったから、と耳にキスし、そのまま耳元で囁く。
「ホテル、行こっか」
コクコクと小さく頷き、少し落ち着いたころに僕たちはホテル街へ向かった。
c o n t i n u e
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映画『怪人メガネ』。
メカクシティアクターズを見た人ならば「おっw」と思ったハズ…!
そんなあなたに一言。
「お父さん?…違うなぁ、俺の名前は…怪人メガネおじさんだっ…」
はい、ありがとうございました!