書斎
□流される
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あれからというもの、カノさんは毎日俺の傍にいる。
「…お前ら…そうゆう関係だったのか…」
この世のものとは思えない、と言うような目で俺達を見ているのはキドさん。
「いやぁ、でもなんかお似合いっすね!すげーラブラブっすよ二人ともー」
「でも、ウェディングドレスはどっちが着るのかな…?私、シンタローに着てもらいたいな!」
「そーっすねー。俺もシンタローさんがいいっす!」
なーんてわけの分からん会話で盛り上がってるのはセトとマリー。
お前らのがお似合いだろうが…
「シンタロー君のウェディング姿、楽しみだなー♪」
「いや俺着ませんから!」
「あ、でも胸がないとボリュームなくなっちゃうよねぇ…どうする?シンタロー君」
俺は着ない、の一点張りで 俺は自分の部屋へ逃げた。
「もう、わけ分かんねぇって…」
男のカノさんと付き合ってんのは いつの間にか団員みんな知ってるし、
それに対して誰も(キドさん除く)抵抗してないし…。
「何してんのー?」
「ぅわっ!かっ…カノさん…」
「逃げちゃうから心配したよー?恥ずかしかったの?」
かわいーなー、と髪を撫でる手の温度にドキドキする。
なんせ、今は俺の部屋に二人きりだ。
「恥ずかしがらせちゃってゴメンね…お詫びになんでもしてあげるから♪何がいい?」
そんなこと言われながら こんなに顔近かったら何がいいも何も…
「……キス…」
「ふふっ、シンタロー君のファーストキス奪っちゃえー♪」
「んっ……」
角度を変えながら、何度も唇に吸い付かれる。
頭の後ろに回された手が、俺の髪をやさしく撫でまわす。
やべぇ、気持ちぃ…
そう思ったところで俺のファーストキスは終わった。
「気持ちよかった?」
「………」
答えられないで うつむいていると、カノさんが急に笑いだした。
「な…何です…か…」
「あっはは!シンタロー君顔真っ赤!かーわいー♪ねぇ、次はもうちょっと激しくしてもいい?」
にやっと笑う、その色っぽい顔にいつも流される。
「ま…待って、カギ…あと電気…も」
「ふふっ、煽るねぇ…シンタロー君」
そんなにシたかったのー?と笑いながら、ガチャリ、と部屋のカギをロックし、
部屋を暗くする。
「さぁ、始めよっか…」
ベッドへ誘導され、そのまま上に乗られる。
服越しに体温が伝わると同時に、カノさんの甘い匂いを近くで感じる。
ただそれだけでもう興奮しきっていた。
「シンタロー君、あいしてるよ…」
「……知ってる…」
俺達の愛が繋がっていくのを、心のどこかで感じていた。
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