『ユウスケと36人の兄弟たち』
□第九話
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『渓さんっていって大学生で頭良いんだけど…』
渓さん。見た目はかなり美形で優しいお兄さんって感じなんだが、趣味があれ。男好きって!何せ初対面が寝込みを襲われかけるというな…これは言えない。最悪。
『渓さんと同い年の潤さんってのもいて、顔はかっこいいかな…』
潤さんは渓さんの見張り役。渓さんと同じく芸能人並みのルックスで、二人が並んで歩いてるとほんとにオーラがすごい。この人もまた女好きだけど…
『あとは…これも大学生だけど、丞さんと懸さんってのがもともと従兄弟同士だったらしくて…』
丞さんとの出会いは渓さんとまったく同じようなシチュエーションだったんだ……男娼とかいって、確かに顔とか綺麗ではあるけど正直関わり合いたくはない。んだがなんか気に入られちゃったのかよく部屋くるしなぁ。その点懸さんはまともな人でよかった。
「へぇ、いいなーかっこいいお兄さんたち!」
『いいことばっかじゃないって…結構大変だよ…』
変な人ばっかで、ほんと疲れるんだよな…
「ねっ、弟もいるんだよね?」
『あぁ、うん。弟は…ユウタとか。小学生で一緒にゲームしたり…』
ユウタはコータロー以外で初めて出来た友達(的な弟)。年下だけど一緒に遊んだりしてると楽しいし、宿題なんかも見てやったり、結構仲がいいかな。あとほっぺがふにふにで癒される。ペットみたいな。
『とまぁ、こんな感じなんだけど…』
「さっきの銅くんは?」
『…あいつか…』
銅…あいつには本当にもう毎日頭を悩まされる。さっきみたいに金よこせとか、宿題やっとけとか人遣いが荒い。それに何よりおれのことを見下している。悪戯するわそれ見て楽しそうに笑うわ…手が付けられない。
『で、もう嫌がらせとかが酷い』
「ふ〜ん…でもさ、それって私思うんだけど、気を許して甘えてるとかそういうのじゃないの?」
『ないない、あいつはそういうんじゃないって。もっとこう、人を翻弄して楽しんでるって感じ…』
たちが悪いんだ。おれが面倒見てやるって言ったの間違いだったかもしれない……
「でもそれだけ兄弟が多いと楽しそうだね。うちは私だけで一人っこだからそういうお家羨ましいな」
『そーかな(汗)』
おれも前は一人っ子だったけど、さすがにこんなにはいなくてもいいと思う…