『ユウスケと36人の兄弟たち』

□第五話
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『はい、丞兄ちゃんって言ってみて』


丞さん主催のお兄ちゃんと呼ぼうセミナーがはじまった


『……丞兄さ…』

『はいストップー!兄さんじゃなくて兄ちゃんがいい、やり直し』

『べっ別にいいじゃないっすか!兄ちゃんでも兄さんでも…』

『だーめ、練習なんだから妥協はしないよ。じゃもっかい最初から』



ていうか何の妥協だよ…



『…丞兄……ちゃん…』

「そうそう、もう一回」

『……丞兄ちゃん』



だいたいなんでこんなことになってんだ
機から見て相当変だろ、これ…


雄亮がそう思う中、
孝太郎は相変わらずプラモに熱中していた




『おーできてんじゃん。いい感じ』

『…はぁ……』

『じゃ、もう一回言ってごらん』



何回言わすんだよ……
少し呆れながらも言われた通りにする



『丞兄ちゃん…!』



と、少し力んでしまった……っ



『うわちょっと困るよそれ…』


いきなり肩を掴まれる

『へっ?…え、あっ…ちょっと…!』



ドサッ


押し倒されるかと思ったがそうではなく
逆に引き寄せられて丞さんの上に覆いかぶさる形になってしまった

首に腕をまわされさらに脚で固められて戻ろうにも戻れない


『あの、ちょっと丞さ…』

『丞さんじゃない』

『……丞兄ちゃん……離してください…//』

『やだ。スケ可愛いもん』



可愛いもんじゃなくて…!
コータローだってすぐそこにいるし…


『ちゅーしてくれたら離してもいいよ』

『は?!』

『ほら、離してほしいんでしょ?だったらはやく』



そんなんできるわけないじゃないか
なに言ってるんだこの人は…//

どうにかして手脚をはがそうと頑張るがびくともしない



『それとも彼女いなくてちゅーの仕方分からない?』

『べっ別にそんなんじゃ…!』

『じゃぁはやくしなよ』






プツン


おれのなかで何かがふっきれた




『〜〜〜あああもうっ!!///』


ちゅっ…




『っ…////』


『あはは可愛い』


くそぉ…///

『ほらしたでしょ、はやく離してくださいよっ』

『えーどうしても離さなきゃだめ?』

『当たり前でしょうが!!約束だったじゃないすか…!!』




しょうがないなーと言って手脚を解く丞さん


…やっと解放された…
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