『ユウスケと36人の兄弟たち』
□第五話
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夕飯後−
今日は課題もなく、雄亮は部屋で暇を持て余していた
『じゃぁさー、スケは彼女も彼氏もいないの?』
『…いないです…ってか彼氏がいるわけないじゃないすか!』
『へー、ってことは自分で処理してるんだ』
『丞さんはなんですぐそーいう話に…!』
『えー重要じゃん、この問題』
最近丞さんがおれたちの部屋に入り浸っている
しかも見ての通りこんな話ばっか
これ以上一緒にいたらおれまで変な風になっちゃうんじゃないかという心配が心の中で膨らむ
でもなんか話してると意外と楽しいような気が
しないでもないのが更に困るんだよな…
ちなみにコータローは飛行機のプラモ作成に夢中になってて
おれたちの話はまったく耳に入ってない様子だ
『っていうかスケはお兄ちゃんって言わないね』
『え?』
『そこのコータローとかは丞兄とか丞兄さんとか呼んでくれるけど、スケはさん付けだよなーって。皆にそうなの?』
『いや、まぁ…』
そう言われると確かにお兄さんたちのことを兄さんと呼んだがことない
というのも御字川家に来る前は兄なんていなかったから
どう呼んだらいいのかが分からなくて
結局今のさん付けでの呼び方になってたんだよな…
『兄弟なんだからさー、この機会にお兄ちゃんに変えたら?』
『えっ、いや、それは…』
『えーなんでー?すぐできるよー』
できなかったからさん付けなんだが…
…うーん…
『まずは俺から慣らしてけばいいじゃん、ねっ?やるなら今でしょ?』
『…………じゃぁ……ちょっとだけ…』
『そうこなくっちゃ☆』