全てを貴方に。

□向日葵
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ふと気づけばいつもそこにいた。

目立つわけでもなく飾るわけでもなくただ存在する彼女。

しかし可憐に咲く花のように誰のためでもないかのようにそっといつも佇んでいた。

そんな彼女を意識したのは最近の話だった。

異性としてではなく単純に存在として認識しただけなのだが。

彼女の名前はミラ。

いつも涼やかで穏やかな表情をしていた。

当時彼女の存在に気づいた時の印象はそのようなものだった。

病気を患い遅れてホグワーツへ入学したために同級生たちよりも年が上だ。

そのためなのか同級生たちに対しても表情が大人びている。

そしてあまり楽しい要素が含まれているとは思えない魔法薬学の授業でもニコニコと笑いながらこちらを見ている。

調子が狂う。なぜ笑っているのだ。

「何がおかしいのかね?」

「授業が楽しいんです。スネイプ先生」

バカにされているような気さえする。

我輩の嫌味もニコニコとすり抜ける。

いや、嫌味とも思っていないのやもしれぬ。

調子が狂う。
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