貧乏少女

□貧乏少女 その9
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 警官に連れられて、交番に来ました。私、何か悪いことしましたか?

 私は椅子に座ってます。警官は官能的に脚を組み、犬について説明を始めた。
「この犬は危ない薬を探す犬なの。これが反応したということは、君はそれを持っている」
 警官は脚を組み変える。一瞬下着が見えた。
「それで、ポケットに入っている物を出して」
 私は言われた通りにポケットから財布と謎のポチ袋を出した。
「財布の中には無いのね。ポチ袋には……あったわ」
 私はガタガタと震えた。前科が付けば、大変ではないか。
「誰に貰ったの? 君みたいな人が買えないでしょ? 正直に言えば罪は軽くなるわ」
 私は危ない人の住所を言いました。

 この後、警察署に連れていかれて、留置されました。
 そして、私の罰が決まったのです。
 新しく決まった、それでした。持っているだけで罪らしいのです。
 私は尿を採られて、使った反応が出れば、もっと罰は増える。
 そう2ヶ月の間、手枷足枷首輪のみを身に着けて暮らすことになってしまいました。
 つなぎは家に届けてくれるけど、私は歩いて帰るそうです。ケータイと財布は首から下げている。
 そして、ここから私の家までは駅2つ分。 
 警察署を出ると、道行く人達が私を見る。恥ずかしい。
 
 では、この法律を詳しく説明します。
 手枷足枷首輪の他に、屋外なら靴と靴下も身に付けて良い。
 この罰を受けている間、本番行為以外を受けても訴える事が出来ない。
 着けている首輪は写真や映像でモザイク加工をかけてくれる。
 手枷と足枷の鎖の長さは50センチ。比較的、手足を自由に動かせる。
 ただし、右と左が繋がっているため、服を着ることが出来ない。
 刑期中には、指定のボランティア活動に強制参加である。
 ボランティアの指令は手枷にあるディスプレイに送信される。
 
 こんな事らしい。私は歩いて帰る。周りの視線が突き刺さる。
「うわぁぁ。あの法律、本当だったんだ。写真撮っちゃえ」
「でも、顔にモザイクかかる。じゃあ、ネットに上げても問題ないよね」
「あの子、可愛いな。本番以外なら、何してもいいんだよね?」
「そうだよ。ニュースでやってた」
 面白そうに写真を撮る人、性的な視線を向けてくる人。完全に晒し者になっている。
 こんなことになるのなら、犯罪も減るだろうな。と思い、気を紛らわす。
 そうしないと、頭が沸騰しそう。何十人、何百人、何人かは分からないが、大勢の人に見られている。
 初めての経験だ。普通に暮らしていたら、味わうことはないだろう。
 やっと駅に着いた。大きな駅の周りは人が多い。羞恥心が雪崩のように私を襲う。
 早く家に帰りたい! 
 急いで切符を買おうとしたら、小銭を落としていまった。手を伸ばして拾う。
 すると、腰を突き出すような姿勢になってしまったのだ。後ろから見れば、秘部は丸見え。
 ピローンと間抜けな電子音が鳴り、撮られたことが分かった。盗撮も私が訴えることができない。
 されるがままに体を差し出すだけだった。しかし、それだけは府に落ちない。
 後ろを睨みつけた。
「うわぁ、犯罪者のくせに睨んできたよ」
「キモっ」
「ありえない。何をしてもいいんだから、やっちゃえ」
 いかにも遊んでいる風のギャル。知的な巨乳。そしてロリ。全員高校生のようだ。
 私は駅前広場の真ん中に連れていかれた。そして、現代芸術の変な模型に手枷の鎖を引っかけられた。
 ここで逆らったら、刑期が増えそうな気がする。私は恥ずかしいけど、何も出来ずにいた。
「犯罪者め。ここで反省しなっ!」
 ギャルが叫ぶ。私の格好は、鎖に釣られて、爪先立ちをしている。
 鎖を自分で外せない。体を隠すことも出来ない。
「君たち何をしている?」
 あの時の警官がやってきた。そして、3人組が逃げていく。
「さあ、家に帰れ。今だけは助けてやる」
「ありがとうございます」
 私は電車に乗ることができた。

 まだ早い時間の電車だが、ホームには人が沢山いた。
 私の他に目立っているのは小学生の遠足だろうか。先生らしい人と幼い子供達だった。
 私は、その人達と同じ車両になってしまったのだ。先生は私を見ようともしない。
 しかし、子供達は私を取り囲んだ。
「これって、あれでしょ?」
「新しいホウリツの」
「悪いことしたら、裸で過ごす」
「何をしてもいいんだよね」
 私は子供達の輪から抜け出そうとした。すると、足枷の鎖を踏まれていて、転んだ。
「悪いことした人は、お仕置きしないとダメなんだよね」
 1人がそんなことを言い出した。
「そうだね」
 私はうつ伏せに倒れていたのを、仰向けにされた。
 視界にはじ15人の無邪気に罰を与える子供。私に罰を与えるにのは30の手。
 先生らしい人を見るが、目を逸らされる。
「悪い人は、懲らしめないと!」
 30の手が私を襲う。胸を鷲掴みに、乳首とクリを抓られる。
 秘部には一体何本の指が入っているか、分からない。
 さすがに先生が出てきて、子供達を止めた。
「明日になれば、保健体育の授業があります。その時に触りなさい」
 子供達は私から離れた。駅に着いたので降りようとしたが、脚に力が入らない。
 這うようにして、電車を降りた。体中、泥だらけになった。
 電車の入り口の前でうつ伏せに倒れていると、手枷のディスプレイが光った。
 ボランティアの命令が来たのだ。その内容は驚くべきことだった。
『電車が出発するまで、その場で待機』
 私はそのまま従った。この駅には10分ほど止まっている。
 だから、ホームには人が少なかった。
『2番線をご利用の皆様。新しい法律で罰せられた人に対する罰にご協力ください』
 そんな放送がホーム響いた。
『8号車の2番ドアの前にいる犯罪者を足ふきマットとしてお使いください』
 私のことだ。そして、私が倒れている場所は柔らかくなっていた。
 まるで、私がここに倒れることを分かっていたみたいだ。
 私の脚に体重が掛かった。かなり軽いので、さっきの子供達かもしれない。
 私を踏む足は次第に増えていく。その分、体が沈むけど痛い。子供の体重でも十分だ。
 脚、太もも、お尻、背中、そして頭。泥だらけの靴で踏まれる。思わず涙が出た。
 子供の集団が終わると、大人の女性みたいな体重が掛かった。それは先生だった。
「ああ、楽しいわ」
 スニーカーで私の頭をグリグリと踏み付ける。
 この車両は全員降りただろうか。そう思ったが、後ろの穴に激痛が走った。
「うげっ!」
 この姿になって初めて声を出した。体を少し捻って、後ろを見る。
 そこには、ピンヒールを履いた人がいた。細いヒールの部分が後ろの穴に入っていたのだ。
 ニヤリと笑って、ホームから消えた。乗る時は私を踏む人はいなかった。
 泥だらけを引き摺って、家に帰えった。


 貧乏少女 その9 終わり

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