貧乏少女

□貧乏少女 その8
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 久しぶりの更新になってしまいました。すいません。
 


 夏休みの前に酷い目にあった。まさか、友達に私のあそこを見られるなんて。
 でも、今日から夏休み。バイトして、お金を貯めないと。
 無料の求人誌を広げて、ペラペラとページを捲った。すると1日で5千円も貰えるバイトがあるではないか。
 私は速攻でケータイに手を伸ばし、電話をかけた。
『こちら、闇の宅配サービスです。バイトの申し込みですか?』
 1コールで繋がった。
「はい。いつでも大丈夫です」
 と、私が言うと電話の相手は、カタカタとキーボードを叩いたらしい。
『えーと、とりあえず会社に来てください。求人誌に場所は書いてあるので』
 ということで、私はその会社に向かうことにした。服装は制服の下着無しだ。


 私の家から徒歩数分。そこには古びた雑居ビルがあった。その中に闇の宅配サービスが入っている。
 ビルの階段を2階まで上り、ドアをノックした。
「いらっしゃい。バイト希望者ね」
 20代半ばのお姉さんが出てきた。私がコクンと頷くと、彼女は私の手を引いて中に入った。
 周りを衝立で囲った簡易な応接間に通された。そこで面接のような事をした。
 どこの高校に通っているのか。どんな生活をしているのか。走るのは速いか。
 当たり触りのない質問だった。私は正直に答えるだけだ。
「へえ、じゃあバイトしながら、高校に通っているんだ。日雇いじゃなくて夏休みの間雇ってあげる」
 と、お姉さんが言う。これはチャンスだ! 
「お願いします!」
 ぺこりと頭を下げた。
「そこ代わり、1日5千円じゃないけどね。一つ届けるごとに千円。頑張れば、5千円以上行けるよ」
 そう言ったお姉さんは、席を立ち書類を持ってきた。
「ここにサインしてね」
 私は書類をあまり読まずにサインした。
 
 サインをして、今日の配達先への説明を受けているとBGMのように流れていたテレビが大きな音を出した。
『皆さん。法律が一部改善されました。未成年の犯罪の増加に伴い、少女院の数が足りないとして新たな罰を
 与える事になりました。犯罪を犯した未成年は一定の間、服を着る事を禁止し、手枷と足枷と首輪付けて生
 活する。というものです。詳しくは、皆さんにメールされます』
 固い顔したキャスターが頭を下げて、テレビはお昼の生放送番組に戻った。
 お昼の番組もこの新しい法律の話題で持ち切りだった。
「変な法律ですね」
 と、私がお姉さんに言った。彼女を見ると、ニヤニヤとしていた。
「へえ、犯罪を犯した娘の裸なら見放題になるのか」
 この国はレズしかいない!
「じゃあ、制服のつなぎに着替えて、自転車を使っていいよ。いってらっしゃい」
 更衣室(衝立に囲まれた)に入って、制服を脱ぐ。すでに全裸だ。つなぎに袖を通す。
 つなぎの内側がチクチクしている。このまま歩いたら、擦れて大変な事になるだろう。
「着替え終わった? 自転車の鍵。無くさないようにね」
 私は鍵を受け取って、階段を降りる。すでにつなぎの内側に体が擦れて、快感が私を襲う。
 そしてサドルに跨ると、気温の高さに驚いた。中にTシャツを着ていれば、良かった。
「さあ、早く行こう」
 私はペダルを漕ぎ出した。


 目的地に着いた。しかし、このつなぎ、通気性が悪すぎる。冬は良いかもしれないけど、夏は無理だ。
 このつなぎの中は、湿度100%くらいだろう。チャックを緩めたら、裸が見られる。
 どうしよう。顔だけ汗を拭いて、私はチャイムを押した。
「闇の宅配サービスです」
 間髪入れずに扉が開いて、私はその中に引っ張れた。
「フフフ。やっと、やっと届いたあああああ!」
 見開かれた目、艶のない髪の毛、目の下の隈、不健康そうな人だった。
「貯金をほとんど使い切ったんだ。これでずっと幸せだぁ」
 この人は危ないと思い、ハンコを貰った私は全力で帰ろうとした。
「ちょっと待ってえええ。お茶を出すわ」
 私は帰ることが出来なかった。居間に通されて、危ない人が台所に行っている内に電話を掛ける。
 配達が終わったことを知らせるためだ。
「もしもし、配達終わったのですが、届けた先の人に捕まりました」
『そうか。帰り道に気を付けろよ。マッポに』
 それだけ言うと、お姉さんは電話を切った。マッポとは何だろう?
「お茶よ〜。あと、チップを上げるわ」
 ポチ袋に入った何かを貰った。私はお茶を飲み干すと、引き止める危ない人から逃げ出した。

 雑居ビルに戻ると、お姉さんが待っていた。
「お疲れ、大丈夫だった?」
「大丈夫です。あと、帰りに制服をクリーニングしたいのでこのまま帰っていいですか?」
 と、聞くと彼女は社章が入ったワッペンを剥がした。
「これで普通の服装だけど……暑くないの?」
 私の格好は、黒いつなぎにスニーカー。袖は捲っているものの、見た目はすごく暑そうだ。
「暑いですけど、今日はTシャツとか着てなくて」
「あら、言えば良かったわ。じゃあ、今日の分だけは5千円ね。仕事がある時に呼ぶわ」
 私はクリーニング屋を目指した。

 私は、ズボンを捲って半ズボンのようにしました。まだ、暑いけど制服を出して家に帰りたい。
 そして、裸になりたい。私の足は速くなった。
 クリーニング屋に制服を出すと、ゴツイ犬が寄ってきた。怖いな。
 犬は私の周りをくるくる回りながら、匂いを嗅いでいる。そして、犬は吠えた。
 もしかして、汗臭いのか?
「そこの君、ちょっと来てくれるか?」
 青い服にミニスカート。警棒ではなく、騎乗鞭のような物を持っている。私は警官に捕まりました。
「え……?


 貧乏少女その8終わり

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