露出少女@ 斎藤空
□GW編五日目
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写真を撮られる事に快感を覚えなかったと言えば嘘になる。コノハちゃん専属の被写体にされるのもいいかもしれない。
そんな不純な事を考えている内に今日も彼女はやってきた。
「おはよう。今日はもう一人いるんだけどいいよね?」
と、彼女が微笑みながら言った。私に拒否権などはない。
「いいよ」
「じゃあ、お姉ちゃんも入って」
玄関に入ってきたのは大学生くらいの女の人だった。コノハちゃんとは違い、スケッチブックを持っている。
「えーと、コノハの姉で女子大の芸術学部に通っている紅葉です。よろしくね。あと、近所のコンビニでバイトしてるよー」
どこかで見たことあると思ったら、初日に下着を付けずに行ったコンビニのレジの人だった。世間は狭いという事を思い知らされた。
「え、えーと、よろしくお願いします」
私は二人を自分の部屋に入れた。
部屋に入ると私は服を自分から脱ぐ。
「えー脱がす楽しみがないなー」
と、紅葉さんは言う。しかし、スケッチブックを開いて鉛筆を持ち、絵を描く準備は終わっている。
「露出狂だもんね」
脱いでる途中からシャッターを切っているコノハちゃん。
「じゃあ、膝立ちになって腕の筋肉を伸ばす感じに・・・そうそう。ちょっとそのままで」
紅葉さんに言われるままのポーズになる。あまり恥ずかしくないと思っていたのだが、脇の下という普段あまり見られない場所が晒されていた。
しかも、それを絵や写真に残ってしまうとなれば、さらに恥ずかしさは増す。つまり、快感も増す。私の中では恥ずかしさ=快感という方程式が出来上がっている。
「いい体してるねー」
生き生きとした表情で鉛筆を一心不乱に動かし、抉るような目線で舐めるように見る。まるで視線に犯されているようである。
「はあ・・・はあ・・・」
だんだん腕が疲れてくるともに吐息が漏れる。
「いいね、その吐息エロいよー」
相変わらず抉るような視線を向けてくる紅葉さん。レンズで覗かれるより、こっちの方がいいかもしれない。
私の太ももには、汗ではない滴が滴っていた。
何分間同じ格好をしていただろうか、紅葉さんが鉛筆を置いた。
「これでどう?」
スケッチブックを私の方に見せてきた。そこには白黒の私がいた。
「すごい」
この言葉しか出てこない。
「ありがとう。あなたの体は多くの人に見てもらう方がいいと思うの。どうかしら?」
「そうだよ。エロじゃなくて芸術的な意味で」
姉妹はキラキラした顔で迫ってくる。弱味を握られているので断る事はできない。
「はい」
私は頷き、彼女達の提案を聞いた。
その後は紅葉さんがお昼ご飯を作ってくれた。その間も服を着せてはくれなかったけど。
しかし、こうした日常的な動作も裸ですると恥ずかしくていい感じかもしれない。
「じゃあ、旅行に連れていってくれんですか?」
「ええ、大学の友達と明日から旅行に行んだけど、みんなで風景画だけを書くのもつまらないから、モデルになってくれる人を探していたのよ」
と、紅葉さんが言った。多くの人に見てもらいたいとはこういう事か。私は一人で納得した。
「じゃあ、ちょっと親に聞いてみますね」
私は母に電話をかける。要件を話すと「いいよ」と言われた。
「行きます」
絵のモデルの快感に私は溺れていた。
お昼を食べた後、二人は帰って行った。
「じゃあ、明日の朝8時に迎えにくるね」
と、紅葉さんは最後にそう言った。
「あ、あたしも行くからね。ちゃんと準備してくるんだよ」
私は思いがけない旅行に胸を躍らされた。
この時は、旅行で自分に降りかかる災難と快感を私は知る事はなかった
GW編五日目終了