夕焼け

□合作*すんふにほん
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[ ひょーん!!o(@^◇^@)o

今日 ごはん食べ行かなーい?? ]


すんからのメール。


今日はホンギとデートだとわかっててこういうメールをしてくる。


[今日は無理だよ。明日行こうか。]



それだけ送って携帯の画面を消した。


あいつだってバカじゃないんだ。これでわかってくれるだろう。


いつもいつも、俺とホンギがデートの時に決まって連絡を寄越す。


ただの偶然だと思いたいが、
こう何度も偶然が重なると少し不安になる。


別に、俺とスンヒョンの間には何の関係もない。


ただの同じバンドの同じギターというポジション。


「ふにっ!おまたせー!待った?」


白い息を吐いて、耳と頬を寒さで赤くした恋人が
車に乗り込んできた。


「いや、俺も今来たところ。レコーディングお疲れ。」


そう言って優しく頭を撫でてやると、


「…あ、ありがと…。。」


なんて恥ずかしそうに俯く。

こいつの好きなところ。


「さ、どこ行く?なんか食いたいものある?」


「んー…いつものとこでいんじゃない?」


いつもきまって二人で食事をするバーに向かって車を走らせる。


道中はいつもホンギのくだらない話。


内容は本当にくだらなくて…そんな話なのに、
つい笑ってしまう。


あばたもえくぼ…といったらいいのか…。


いつものバーについて、
ホンギはビール、俺は車だから
ソフトドリンクを頼んだ。


そしていつものようにだらだらと
食事しながら、
だらだらと話して…。


世の恋人たちは、
いつものデートをどのように過ごすか知らないが、
俺たちにはこれこそがデートであって、
これこそが幸せの象徴だった。
何気ない幸せ、うん。


そして何時間かして、
明日も仕事が朝からあるし帰ることにした。
帰るところも、同じ部屋なんだけど
途中で練習室に大事な資料を
置いてきたことに気づいた…。


ホンギは、俺も行くよ、と言ってくれたけど
悪いからひとまず
ホンギだけマンションに送って、
俺は再び事務所に車を走らせた。


「あーくそ…こいつのせいで…。」


でもこれは明日の仕事に関する重要な資料だから、
寝る前に目を通しておかないと…。


資料を持って、
事務所を出ようとしたその時
ポケットの中で携帯が
震えていることに気がついた。


携帯か…
さっきあいつに返事してから一回も開いてなかったな。


見ると知らない番号からの着信だった。

ちょっと面倒な気もしたが、
とりあえず出てみた。


「…もしもし?」


「もしもし!あの、そちらはチェジョンフンさんでいらっしゃいますか?」


…知らない声だな。


しかも俺の携帯に掛けてるんだから
俺に決まってるだろ…。


「ええ、そうですけど…」


「こちら○○という地下鉄駅前の居酒屋なのですが、泥酔して動けなくなってしまったお客様がいらっしゃいまして…その方の携帯電話の履歴の一番上に、そちらの方のお名前があったので…。」


そんな居酒屋知らないな…。
ていうか泥酔した客って…


「お名前をお伺いしてもわからないとおっしゃるのですが、あの、とても長身ですらっとした男性です…」


『じょんふんさーーん!!あっはっはっ』


電話の向こう側から聞こえた明るい声。

長身ですらっとした男…


…あいつだ。


「…迎えに行きます。場所、どこでしたっけ?」
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