空想部屋

□情事の後
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「なぁ そんなに落ち込むことないだろ?」
后は枕に顔を埋めたまま不機嫌な晴明に呆れながら話しかけた。
もう10分くらい晴明は同じ体勢のままだ。

「おい!聞いてんのか晴明?」

「調子に乗らないで下さいね后様」
やっと顔をあげた清明がぼそぼそと呟いた。
怒っているのか拗ねているのかいまいち解らない。
この男は后に心を読まれることを極端に嫌がるためガードが固いのだ。

「ちょっと自分の方が余裕があったからと優位に立ったと思わないでくださいね!」
あぁ 拗ねてたのか…
后は飲みかけのペットボトルをまだベッドに沈んだままの清明の頬にペタリと当ててみた。
「…何笑ってんですか、あんた。馬鹿にしてます?」
清明が睨みながら后に言った。

「違うって!えっと」

「なんか、幸せだなーって…思ってさ」

「…………。」

素直に伝えると清明は少し驚いたのか瞳を大きくしてそれから溜め息をついた。

「后様…反則ですよそれ」
そして
「…名誉挽回していいですか?」
そう言うと同時に清明は后の腕を素早く引いてベッドに押し倒した。

「名誉挽回って、俺は気持ちよかったけど?」
嘘ではない本当の気持ちだ。
初めてだったのに痛みもあまりなかったし…
それはきっと清明のおかげだと后にも分かってる。 
だから先ほどから清明が落ち込んでる意味が解らない。

「嘘つき!早いとか思ったくせに!本当にムカつく…あんた初めてのくせに魔性すぎるんですよ!」 

「はぁ!?いっ、意味わかんねー!」

「この天然男たらし!」 

殴っていいだろうか…
まじ、ムカつく!文句を言おうとしたらキスで塞がれた。

「朝までリベンジしますから后様!私の本気見せてあげましょう」

どこでスイッチが入ったのだろうか
今後のために誰か教えて欲しい。

とりあえず今は午前2時

清明の言う朝が何時だか気になる后だった。


end

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