短編

□そんな貴方が…
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白い、きめ細やかな雪。


それに埋もれ私はただただ貴方を想う…






【そんな貴方が…】









私達探偵の敵である[芥川]に会ったのは丁度仕事の帰りだった。


ただの構成員の私が芥川に適うはずもなく圧倒的大差で負けた…。


何とか意識朦朧としながらも恋人である太宰治に電話をかけることが出来た。


トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル


その時間さえも私にはとても長く感じた。

ガチャ

「 苗字?どうしたんだい?早く帰っておいでよ」

彼が電話に出てくれた、それだけでも今は嬉しいはずなのに、今度は彼に会いたくなった。

「治…。…治、会いたい…な。……むかえ、きて、くれる?」

いつもは強気な彼女の弱りきった声だった。

「 名前!!!!大丈夫かい!?すぐ行くよ!!」

普段あんなにも慌てない治の声が今の私には面白くて、とても心地良かった。




久しぶりに夜空を見た気がする。


こんな時でしかなかなか見れない。


それに今は雪も降っている。まるで夢のよう。


流石に芥川の攻撃がきいたのか意識が遠くなる。


治も間に合わないみたいね…。


彼はどんなときでも私を助けてくれる。自分がボロボロになっても構い無し。

でも、そんな貴方が……。








名前!!!!!!!



彼の私を呼ぶ声。

暖かい太陽みたい。いつも適当だけどそんな所を全部ひっくるめて愛したの。


だから、これだけは言わせて。











「おさ…む…







      



      


      大好きです









             ーFinー

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