進撃 第壱扉 [dream]
□再診
2ページ/2ページ
「悪かったな。」
「えっ!お痛みが出てしまいました?」
「違う。この間のことだ。心無いことを言った。」
マヤはキョトンとした。
まだマスクをしていないその口は小さく開かれたまま、何を言われたのか理解しようとときたま何かを呟くように小さく動く。
やがて理解したのか、少し頬を赤らめた。
「リヴァイ兵長に謝っていただくことでは...。気をつけてはいるんですけど、あの、事実ですから。」
「まあせめてどもるな。」
「うぐ。」
「完治するまで世話になる。」
「...はい!」
透けるような薄い色の瞳が輝く。
童顔な上に頬を少し赤らめているマヤは、まるで無邪気な子供のように見えた。
そして処置と治療計画の確認が行われた。
「お怪我自体はほぼ治っています。安静にしていただいた賜物なんですが、その反面、必要な筋肉がなくなっているはずです。これからはリハビリと食事療法を行いましょう。リヴァイ兵長、いつもお食事は?」
「兵団のものだ。」
「そうですか...えー、ご自身でお料理は...?」
「...期待するな。」
「で、ですよね。じゃあ兵団の料理担当の方に任せようかな...。」
「明日は休日で皆いない。店で似たようなもの食えばいいんだろう?」
リヴァイがそう言うと、マヤは少し考え遠慮がちに提案した。
「あの、よければ私作りましょうか?私も明日は休みですし、実は兵団宿舎のすぐそばに住んでるんです。」