進撃 第壱扉 [dream]

□病院での出会い
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ものの10分で全ての処置が終わった。
的確で素早かった。

しかし気分は最悪だ。

メガネは処置部に薬を塗り、包帯を巻きながら、髭面と投薬の話をしていた。

「...おいお前、メガネ。」
「はい。あ、包帯きついでしょうか。」

診察の時の緊張感はなくなり、柔らかい声が返ってくる。
しかしその顔の半分はマスクで覆われ、表情は分からない。

「それは問題ない。それよりどういうことだ。」
「...何のことでしょうか?」
「お前は女だな。今の制度では、女は医師にはなれない筈だ。」
「彼女は医師ではありませんよ。看護師なのです。」

メガネは口ごもったが、髭面が助け舟を出した。

「しかしこの腕だ。私が必要と思った時だけ、こうやって処置させているのです。それだけの腕であることは私が保証します。なのでどうかご内密に。」

確かに女性の兵士でも優秀なのはいる。
医療の世界でも同じ事なのだろう。
リヴァイが何も言わないので不安になったのか、メガネが話かけてきた。

「あの、患者様の治療には全力で取り組みます。もし私が女であることがご不快でなければ、担当させて下さい。」
「・・・世話になる。」

腕があるということもあるが、何故か断れなかった。
リヴァイの返事を聞いて、メガネはホッとしたように微笑んだ。
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