進撃 第弐扉 [novel]
□あなたの素顔をもう一度(ハンジ・ゾエ)
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「おはようございます、ハンジ分隊長。」
「おはよーアントン。」
俺は朝から最上級の微笑みを分隊長へ献上した。
普通の女性なら顔を赤くしたりどぎまぎしたり、必ず何らかの反応を引き出せる笑顔・・・のはずなんだが。
この分隊長は大きくあくびをしながら眠そうに片手をひらひらとさせ、俺の横を通り過ぎて行った。
この間なんかぽりぽりと背中まで掻いていた。
こんなに手ごたえのない女性は初めてだ。
いや、だからこそ魅力的なんじゃないか!?
そんな感じで、最近の俺の頭の中はハンジ分隊長で溢れている。