進撃 第壱扉 [dream]

□二人の食卓
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翌日、リヴァイは手書きの地図を頼りにマヤの家へ向かった。

...クソ野郎。何で女ってのは地図が書けねえんだ。

5分で着くと聞いていたマヤのアパートにたどり着いたのは、30分ほど近所をさまよった後だった。
出掛ける時に感じた高揚感が台無しである。

会ったらまず文句を言う。
そう決めて玄関をノックし名乗った。
中から「開けてありますのでどうぞ」と声がしたので、ガチャリと玄関の扉を開ける。

その時リヴァイの足元に何か影が動いた。
とっさに警戒する。
しかしそこには...

猫。

リヴァイは絶句した。
猫だと?
動物がいる家なんて、汚いに決まってるじゃねえか!?
俺のそんな思いをよそに、腰にエプロンを巻いたマヤが出て来た。

「リヴァイ兵長こんにちは、ご足労ありがとうございます。ああみんな、大事なお客様なんだから、邪魔しないの。すみません、失礼なことはしないよう躾けてありますので。」
「...そういう問題じゃない。」
「え?」

マヤはリヴァイが綺麗好きなことを知らないようだった。
リヴァイはよほどそのまま帰ろうかと思ったが、昼過ぎなのと、兵団宿舎からかなり歩かされたのと、キッチンから漂う良い香りが手伝い、空腹が勝った。

部屋の中に入ると、想像以上には綺麗だった。
掃除と整理整頓は細部まで行き届いており、少なくとも動物と一緒に生活しているようには見えない。
リヴァイは一安心してソファーに腰掛けた。
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