進撃 第壱扉 [dream]
□再診
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その日リヴァイは、自身で用意した馬車で病院へ向かった。
マヤが前回の治療のときに指定した日だった。
病院に着くと、スタッフの気遣いはよそに、廊下で待つことにした。
しばらくすると廊下の奥から、疲れた表情のマヤが歩いてくる。
義足だという左足は、そう言われれば多少引きずっているように見えるが、それは疲労のせいかもしれない。
長い時間集中していたのだろう、その目には今は何も写っていないように見える。もちろんリヴァイがいることには気付いていない。
「おい。」
リヴァイは近くまで来たマヤに声をかけた。
「...?...え?...え!リヴァイ兵長?」
「何を驚いてる。治療に来た。」
「あ、あの、でも、この間...。」
気が抜けているところにリヴァイが突然現れたからか、マヤはかなり混乱している。
「何度も言わせるな。治療に来た。お前が治せ。」
信じられないというようにリヴァイを見つめてくるマヤ。
リヴァイはその視線を受け止めた。
その視線が混乱や警戒から、驚き、そして信頼や嬉しさに色を変えるのを見て、リヴァイの何かが満たされるのが分かった。
「すぐに準備致します!お時間は?」
「日が落ちるまでだ。」
「では奥の診察室でお待ちください。」
指定された部屋で待っていると、すぐに薬やら何やらを持ってマヤが入ってきた。
その瞳にはもう疲労の色はうかがえない。
「さっきは失礼しました、だらしない姿をお見せして。会議とオペが続いていたもので、つい。」
「ああ、構わない。」
「それでお加減はいかがですか?」
マヤは張り切って治療に入ろうとした。
しかしリヴァイにはその前に言わなければいけないことがあった。