故に、私は恋をする
□ゆるやかなカルム
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キノちゃんは合図があるまでここで待っててね!
そう言われて早10分。
防音がされているらしいドアの向こうで何が起こっているのかは、さっぱりわからない。
ST☆RISHの担当がよく知る彼等だと聞いて、私の気分は高揚していた。
それも彼等は私が来てることを知らないなんて、こんな面白いシチュエーション滅多にない。
そう思ってたのに。
こんなことなら急ぐことなんてなかったじゃない。
1人、唇を尖らせていれば
「あ、」
ポケットに入れていた携帯が、メールの受信を知らせる。
これが合図、ってことでいいのかな?いいよね。
林檎たちが消えていった部屋のドアに手を伸ばし、
ゆっくり開いた。