フォレストノベル

□天使のいた屋上
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「そこに登るのは禁止されてるんだぞ‥‥禁止されてるんですよ」
 ぎろりとにらまれて、敬語に言い直す。情けなさに輪をかける。条件反射だ、悪くもないのに謝ってしまうような。
 そこ、というのは屋上出入り口の上。教室六部屋ぶんの広さの平地に、小屋のように飛び出る長方体。上にはさらに、貯水タンクが重なっている。
 そもそも屋上への出入り自体、教師の許可がない限りは控えるべきと校則に定められている。教師の姿は見当たらない。いや、いたならば、彼女がソコで仁王立ちしている時点で咎められているはずなのだけど。
 そう、彼女‥‥彼、「女ぁ!?」
「てめえのいるソコも禁止されてんだろがよ」
 だいぶアルトなハスキーボイスで彼女が言い放つ。またもピロチカルンが切られて、それからゆっくり、どうやらぼくはフレームアウトした。
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