*黒バス*

□僕の愛しのマーメイドプリンセス
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あれは人魚仲間の群れからはぐれたときのことだった。少しの好奇心から空をみたいと思い海上の方に上がっていた。

空は青く輝いていた。たまにはいいものだなと思った。

「でも...」

雲行きが怪しい。今日は雨が降るだろう。

自分には関係ないからいっかと思い人間にバレないように海をわたっていく。

しばらく泳いでいると大きな客船がみえる。とても大きく、人間の世界でいうお金もちがのっているのだろう。

そして1人の人間が海をみつめていた。その顔はとても綺麗だった。オッドアイで赤色の髪の毛をした少年だった。

「綺麗な人...。氷室さん以外にあんなに綺麗な人はじめて見たなぁ」

でも結局は人間と人魚は相容れることはない。だからもう帰ろう。

先ほどの海路を進んでいく。しかし...。

急に空が暗くなった。一気に風邪がふきあれ雨が激しくなった。

「この嵐...いつも以上に大変かもしれない」


自分が生まれてから一度もこんな嵐は体験したことがない。

「.....さっきの客船」

いくらあんなに大きくてもあれはひっくりかえったり、損傷して沈んでもおかしくない。

だけど...自分は人魚。人間にバレたら....。


「...でも行かなきゃ」

あの人を助けなきゃ。なんだかきっと後悔すると思う。

急いであの海路に戻った。




来てみるとあの少年が船の先端に捕まって落ちそうになっている。

「落ちちゃう...!」

そして少年は強い風に煽られついに海落ちてしまった。

「あっちだ!」

少年が落ちた方にむかう。そして彼を海の中から引き上げる。

「はやく沖にあげなきゃ」

急いで少年を砂浜のうえに引き上げる。少年は息が弱っている。彼を助けるには...

そう人魚の特殊な力、キスと唄を紡ぐこと。決心彼にキスをする。そして歌を奏でる。

「....ッ...」

目覚めた。良かった...助かった。きっとあとは誰かが気づくだろう。

「....どうか無事でいてください」

自分の首のネックレスついている1つの貝殻を彼の手に握らせる。

「さようなら...」










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