霧雨
□白き壁に映える深紅の模様
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扉を開けると、真っ白な部屋だった。
…背後に気配を感じた。遅かった。
意識が急速に飛んだ。
目が覚めた。
大きな十字架にかけられた。
クスクスと笑い声が聞こえる。善意の欠片もない、悪意に満ちた笑い声―
そんな笑い声が嫌いなはずなのに心地よく感じてしまう。
クスクスと笑いながらエレンが近づいてきた。
「本当にお人好しですよね…リヴァイさん。」
真っ黒で光が見えない瞳のエレン…
なぜだかリヴァイはそんなエレンの瞳に知らず知らずのうちに欲情し、その闇色に染まった瞳でさげずんでほしい、とも思ってしまった。