霧雨
□玩具といっしょにしないで
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ペトラはただ一人、リヴァイを取り巻く関係を知る人物で、同時に理解者であった。
「…兵長、何かありましたか?」
朝食を食べ、片付けたあと、ペトラが聞いてきた。
「別に…」
「嘘ですね。」
きっぱりと言われた。
「…後で部屋に来い。」
今、ここで話したら泣いてしまいそうだった。
時はいつもどおりに流れている。手からこぼれた砂は救い上げなければ、ずっとそのまま。
だからこそ手を差しのべて絶望の崖から救わなければいけない。
一度落ちたらもう、戻ることはできない。