霧雨
□白き壁に映える深紅の模様
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ひそひそとエレンともう一人、黒マントをかぶった人が話している。
しばらくして彼は十字架から降ろされた。
「リヴァイさん…?どうしてそんなに息が荒いんです?そうだ、少し前にでて膝まずいてくださいよ…ほら、早く。早くしろよ。」
おかしい。
こんなこと、エレンはしない。
「…誰なんだ?お前はいったい誰なんだ?」
どうか、エレンじゃありませんように。 そんな祈りを神は聞かないふりをした。
「頭大丈夫ですか?俺は俺、
―エレン・イエーガーですよ。」
光を感じない、冷たい瞳。
―ああ、その目でもっと俺をさげずんでほしい。
―惨劇はすべて、欲望から始まり、悲劇で終わる。
―それは当然であり自然の摂理である。