☆新撰組☆

□第九話
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星影学園の少し変わった生徒会、新撰組。
神月・土方・沖田・斎藤・原田・永倉…そして新メンバー近藤を加えて活動中。

沖田財閥の経営するスキー場に遊びに行ってから数日…季節は12月になり、星影学園はもうすぐ冬休みを迎える。
今日の会議内容は、新規メンバーについて。彼らが卒業した以降、仕事を引き継いでくれる後継者を探さなくてはならなかった。
みんなが推薦した生徒のプロフィールが集められ、全てに目を通すと、ある共通点が出てくる。

“能力者”。

元々、能力者を集めて結成された新撰組。当初の新撰組には危険な仕事はなく、人助けのために能力を使っていた。
日向の危険が無くなれば、彼らを危険な目に会わせないで済む。
しかし、和哉の推薦した生徒は能力者ではなかった。

倖成「和哉の推薦、サンナンさんの娘さんだろ?」
和哉「あぁ。彼女は成績も優秀、父親譲りの正義感がある。」

能力者でなくとも、充分に新撰組に相応しい生徒だ。

廉斗「山南梓、芹沢晴香、島田海里、山崎つぼみ、藤堂聖…見事に新撰組やなぁ。」

嬉しそうにプロフィールを拝見する廉斗。遠い昔世界を救ったとされる神の子は、実は新撰組なのではないか。そんな考えも過る程に、偶然にしては揃いすぎている。
今まで会った日向の苗字も、桂、高杉、中岡、そして阪本。もしかすると、偶然ではなく本当に何か因縁があるのかもしれない。

純也「…このままで良いのか?」

日向を何とかしない限り、彼らはまた新撰組を狙うだらう。もし天音が狙いなのであれば、彼女が居ない星影など無意味。消されてしまう可能性すら有り得る。

天音「…」

その言葉に彼女が返す事はなかった。


学園の裏にある竹林。そのしばらく奥に建つ立派な豪邸。由緒正しき洋館、星影家。
とある一室で、当主である譲とその娘未来が食事をしていた。広い部屋の中央にある大きなテーブルに、二人分の食事を置いていく使用人達。

未来「父さん、話があるの。」

この家には滅多に帰らない未来。しかし、どうしても伝えたい事があったのだ。
それは、この星影の命運すら左右する、とても大事な話。

未来「私ね…―。」

全ての決着を迎える日が、もうすぐやって来る。自分が、終わらせなければいけない。
みんなのために、そしてなにより…彼のために。

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