ブルースター

□03
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ク「夕方頃にこの森で大量のAKUMAが出ていたな。炎が見えたあたりフォールを使ったのか?」





夜になり、街で見た師匠が家へと帰ってきた。師匠からは見に覚えのない香水の匂いがついていた。





『……。』

ク「なにか答えろ。」

『……。』





いつもなら師匠が帰ってくると嬉しそうに飛びつくウィリアだが、昼のこともありウィリアは師匠の言葉を無視して本を読んでいる。

そして姿もいつもの少女ではなく大人の姿である…。





ク「なんでこいつ、怒ってるんだ?」

ア「覚えないんですか…?」





彼女が怒っていることに気づいた師匠は僕に原因を聞いてきたが僕はどうやって答えればいいのか悩んでいた…。

師匠に原因を話してウィリアに怒られるか、原因を離さないで師匠に怒られるか…究極な問題だ…。





ク「…はぁ、アレンお前は今日は帰ってくるな…。」

ア「分かりました。」





黙り込むウィリアにイラっとしたのか師匠の表情がすごく怖かった僕はすぐに返事をして家を出ていった。

……明日の朝には仲直りしてくれてると嬉しいのですが。










 
『(クロス…アレン君を追い出した…。)』





AKUMAを倒してから姿を変えていない私。
長時間、本来の姿でいるのは正直辛いけど今は子供の姿に戻りたくないから我慢。

あと、クロスへの反抗もあったりする…。





ク「……。」

『(うっ…後ろにあるソファに座って酒を飲みながら私を見てる…。い、居づらい…。)』





何考えてるのかわからないけどクロスったら近くにあるソファに座り、酒を飲みながら私を見てる…。正直怖いです…。

逃げよう。そう思った私は本を閉じて部屋を出るために立ち上がった…

すると同時にクロスに腕を引っ張られ私は気づいたらクロスの腕の中にいた。





『は、離して!!』

ク「今ここで離したらお前逃げるだろ?」

『あ、当たり前じゃん…!』

ク「そんで逃げる原因は昼間の女、か…?」





ば、バレてる!!
あーもうっ!クロスにはなんでもバレバレなのか…っ。

もう抵抗しても意味ない、か…。私は諦めて体の力を抜いてクロスにもたれかかった。





ク「(急におとなしくなった、ということは昼間のことを見られたってことか…。)」

『クロスが一週間帰ってこなかったから寂しかった…。』

ク「ああ。」

『一週間ぶりに見たと思ったら知らない女の人といた…。
腕に抱きつかれてデレデレしてるし…すっごくムカついたよ…。』





私の言葉にクロスは頭を撫でて黙って聞いてくれた…。暖かい…。





ク「昼間のことは許せ。」

『許さない。』

ク「ちっ…。」

『ギュってして頭なでてくれたら許す…。』

ク「これでいいのか?」

『うん…。』





その日、気づいたら私は子供の姿に戻ってクロスの腕の中で寝ていた…。





(ただいま戻りまし、た…?)
(帰ったか馬鹿弟子。)
(仲直りして良かったですね…。って、なんで2人してソファで寝てるんですか?)
(気にするな。)





 
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