ブルースター

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「ちょだっだだだだだあああああーーー!!!!!」





リナリーのイノセンスを運んできてくれた改造AKUMA(ラビによって【ちょめ助】と名付けられた。)が船を押してくれていることで早く江戸につきそうである。





『…船、すごく早いスピードで進んでるね…。』

ア「そうね。クロス様の改造AKUMAが船を押してくれてるみたいですよ。」





ちなみに私は今、ある一室のベッドに寝込んでいる。
長時間イノセンスを保ちなおかつ船員たちの怪我を治した反動で体力を消耗してしまった私は動けずにいた。
本当みっともない…





『私が体力消耗してるからきっと彼女も限界が来てるんじゃないかな…。』

ア「##NAME##様…?」

『そろそろこの船ともお別れかもしれないね…。』





私がその言葉を言ったあとすぐに、「こんこん」と扉を叩く音が聞こえた。
ミランダさんが「どうぞ」と扉に向けて声をかけるとブックマンが入ってきた。
私が考えていた通りだった…

アニタさんが準備をするということだったので私は準備が終わるまで言葉に甘えて眠っていた。










目を覚ますと私はなぜか雨が降っている甲板に出ておりラビに抱っこされていた。





ラ「目、覚めたさ?」

『ラビ…?ここ、外…?』





目を覚ませたばかりの目であたりをキョロキョロ見渡してみると、私はラビに抱き上げられていた。
周りにはラビの他にリナリー、ブックマン、ミランダさん、クロウリーさん、ちょめ助が。
私たちの反対側にはアニタさんとマホジャ、そして船員が3人いた。





ク「あの…船員方の姿が全然見えないであるぞ?」

ラ「あっ、ホントだ…。」

『そういうことか…。』

リ「まさか…っ。」





ほかの船員が見当たらないことに気づいたラビたち。リナリーは気づいたみたいで、アニタさんは苦笑いをして謝った。

生き残ったのは今ここにいるメンバーだけ。
それを知ったリナリーは驚き、ミランダさんは声を殺して泣いてしまった。

すると突然拡声器から船の中で宴会をしているはずの船員が私たちエクソシストに言葉を残してくれた。





ラ「じじい…キツいさ…。」





ラビに抱かれていた私は、ラビのその言葉に何も言うことができなかった…。



江戸までは距離があるため、ちょめ助が避難用の小さな船でここから近い伊豆まで連れて行ってくれると言った。
先にエクソシストである私たち、そして生き残った船員たち…





『アニタさん、マホジャ…!』





最後にアニタさんとマホジャが乗るために手を伸ばした私。
アニタさんが手を伸ばしたかと思えばその手は私の手を握ることはなく、私の髪の毛を撫でた。





ア「無事にクロスさまに会えることを祈っているわ。あと##NAME##様、辛くても1人で抱え込んじゃダメよ…?」

『え…?』

ア「さようなら…。」





その言葉と同時に船はちょめ助によって浮上し始め、アニタさんたちが乗っている船から離れていった…。





『いやっ…!アニタさん…なんで…!
おねえちゃ…やっ…!!』

ラ「##NAME##危ないさっ…!そんなに身を乗り出したら船から落ちちゃうさ…!!」





アニタさんから離れてしまうことに気づいた私は船から降りようとしたがそれはラビに止められた。
ミランダさんのイノセンスが解除され、船が本来のボロボロの姿に戻り、アニタさんとマホジャがAKUMAの毒により消えていくのを私は涙を流しながら黙って見つめた…。





 
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