アイデア置き場

□『闇夜を照らす星』(清書用)
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 「最悪だ…この世の終わりだ…」
 「黒い魔女を誰か倒してくれ」


 漆黒の鎧を纏った少女は火・水・土・風の精霊王達を封印していった。そして、邪魔をしようとする者がいれば容赦なく討ち滅ぼした。強大な〇〇帝国の兵士ですら彼女の姿を見ると逃げ出すしまつだ。精霊の加護がなくなり大地が荒廃していく中、人々はただ天を仰ぎ嘆くしかなかった。


 これは、黒い魔女となったユリカ・ヴィオレットと国を追われ銀の騎士として生きるシュテルン・ヘルブラオが出会う前の物語。


 ヴィオレット国とヘルブラオ国は同盟関係にあった。ヴィオレット国は代々女王が治めており穏やかな気風で多彩な文化人を多く輩出していたが、武芸に秀でた者がいなかった。また、ヴィオレット国は緑が豊かで鉱山もあり、他国に攻められることも多かった。ゆえに隣国のヘルブラオ国に警護を依頼していたのだ。
 しかし、ある日その同盟は崩れさる。様々な国を侵略し強大な軍事国家となった〇〇〇帝国に屈したヘルブラオ国がヴィオレット国に侵攻したからだ。

 帝国に与する?ことを嫌い同盟破棄に反対したシュテルン王子とそれに賛同した者たちは祖国に帰れないのを覚悟で防衛に向かったが、力及ばずヴィオレット国は敗北することとなった。



 愛馬は死に、傷だらけになり意識が遠退きつつあるなかで王子はエリカ姫の事を思った。一つ年下で妹のような存在だったのが愛しい人に変わったのはいつだったろうか。共に自国を継ぐ身のため結婚することは叶わないと分かっていても想いを消すことができなかった。
 最後に見たのは姫の涙。多数の刀傷と突き刺さった幾本?もの矢。血まみれになり崩れ落ちる自分に駆け寄ろうとして敵兵に引きずられていく姫の姿。守りたかった者を守れなかった悔しさ。
 周囲の音が消え、死を覚悟した時に願ったのは守るための力。
 「誰でも良い、俺に力をくれ!あの人を……助けたいんだ!!」


『妾が力を授けましょう』

 天から神々しい声がふってきた。暖かい光を感じ目を開くと純白の衣を身にまとい、神々しいオーラを発する光の女神が立っていた。彼女が慈愛に満ちた微笑みを見せ馬とシュテルン王子の体を右手に持つ大きな水晶が付いた杖で擦ると、馬は生気を取り戻し、王子の傷も癒え痛みが消えていった。

『ただし、あの娘は闇に堕ちている。妾の力では闇の王の呪縛が解けぬ。闇の王に封印された精霊王たちを解放せねばならぬ。』
 女神の言葉と一緒にシュテルンの頭に漆黒の鎧に長い黒髪、死人のような無表情という変わり果てたユリカ姫の姿が浮かんだ。
 「彼女を救うためならば俺はどうなっても構わない!」
 雄々しい表情でゆっくりと立ち上がったシュテルンの頭上に光の女神が杖をかざした。すると、傷だらけだった鎧が目映く光る白銀に変わり、無惨に折れた武骨な剣は柄に水晶が煌めく優美な細身に姿を変えた。愛馬には白銀の鞍があつらえられた?。銀の騎士の誕生である。

「まずは火の精霊〇〇を探して解放なさい。幸運を祈っております」
そういうと女神は天へ上っていった。
火の精霊の祭壇は火山がある〇〇地方にある。
銀の騎士は火山がある西に向けて走りだした。

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