アイデア置き場

□『書き出し小説50編』(清書用)
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とりあえず、スリル&サスペンス的な5作品。
一、
ある朝目覚めると、見知らぬ部屋のベッドの上で血のついた包丁を両手に握りしめていた。

ニ、
真夜中にコンビニへ買い出しに行った帰り、背後からガサリと枯葉を踏みしめる音が聞こえた。

三、
しばらくぶりに実家へ帰ったら、中学の頃に行方不明になった友人からの手紙が20通ほど届いていた。

四、
清々しい朝だった。私の住んでるアパートの隣の部屋に警察官が数人おしかけている事を除けば。

五、
最近、俺の私物が無くなっていくが気にしないようにしていた。しかし、今日は、昼に食べた弁当の箸が一本だけ無くなっていて、背筋が凍りついた。

苦手なラブコメに挑戦。
一、
まちにまった日曜日。僕は、彼女がドンドン服を買っていく姿を見つめる事しかできなかった。
二、
放課後。他の女と話すにやけたアイツの顔を見て、私は校門の横の桜の木に正拳突きを叩きこんでいた。
三、
久しぶりに会った彼女は、ボクの名前を覚えていなかった。しかも、一番嫌いなヤツの名を呼びながらにこやかに笑いかけている。
四、
街を歩いていたら、いきなり目の前に現れた年上のオネェサンが私の手を握って走り出した。とりあえず、性別を訊くべきだろうか?五、
ふらりと立ち寄ったゲーセンで、クラスの委員長に会った。格ゲーに乱入してくる相手を次々と倒している。俺は無意識のうちに百円玉を筐体に投入していた。
サバイバル的な何か
一、
気が付いた時にはゾンビに囲まれていた。見たかぎり、今いる実験棟は静かすぎて生きてる人間がいそうにない。俺は奴等に見つからないように息をひそめて指令部本舎へ向かった。
二、
古びた洋館に重い扉を開けては閉める音が響く。ヤツは確実に近づいている。僕の首筋に冷たい汗が流れた。
三、
天井から吊られた大きな鉄製の鳥籠に私は捕らわれている。涙が枯れ喉もつぶれた私を彼は冷たい瞳で一瞥する。未だに助けは来ない。
四、
昨日は隣の部屋から一人が連れて行かれた。毎日、誰かが連れて行かれる。この狭い部屋に連れてこられてから、毎日見ている光景だ。軍靴の足音が近づく。今日の生け贄はワシのようじゃ。
五、
アイツらが近くにいることは地響きでわかる。突然あらわれた、あらゆる化学兵器をはねかえす巨大化した野性動物の群れ。世界の主な都市はすぐに壊滅したが、我々人類は怯えながらもしたたかに生き延びている。

不条理系
一、
最近の若い木は言葉を知らないとアマガエルは言った。
二、
ワタシはここにいる。

〜『忘れられた鉛筆』より三、
天気予報では晴れだったので、俺は傘を持っていく。四、
ミジンコ並みと言われたが、悪い気はしなかった。なぜなら、僕がミジンコだからだ。
五、
あの音楽が私を夢から解き放つ。聞こえるはずはないのに。

愛憎劇
一、
百合と金木犀は共によい香がする花だ。それなのに何故、金木犀だけがトイレの芳香剤なのだろう。
二、
あの子さえいなければ御主人様は私だけのものなのに。
物陰から二人が笑っているのを見ながら、ミケコは壁に爪を立てていた。

〜『犬と猫』より

三、
婚約者の冬人(ふゆと)の父親が自分の育ての母親だと聞かされて、美冬(みふゆ)はその場に泣き崩れた。
四、
瞳(ひとみ)が庭の花々に水をあげていると、見知らぬ若い娘が門の前に佇んでいるのが見えた。何か用なのかと訊くと、
「私は貴女の娘です」と返ってきた。まさか、でもそんな筈はない。瞳の心は大きく揺れた。
五、
ワタクシはこのお屋敷に使えて十年になるイヌでございます。今では落ちぶれてしまって春代(はるよ)御嬢様が一人でひっそりと暮らしておいでです。今からお話しますのは、この井伊(いい)家で起こった五年前の悲しい出来事。春代御嬢様の姉君、夏代(なつよ)様との泥沼の相続争いの顛末でございます。

6、少年マンガ風味
一、
俺の名前は佐賀司太郎(さが・したろう)。迷い猫探し専門の探偵だ。
二、
ボクは、ガラムタウンのサダシ。夢は世界中の不思議生物と友達になることです。
三、
オレと幼馴染みの幸美(ゆきみ)は、たまたま参加した美術部の合宿で恐ろしい事件に巻き込まれてしまった。
四、
高校初日に私の隣の席になった木瀬(きせ)君は、毎日、授業中に作曲している。五、
西暦2xxx年。人類は高い殺傷力を持った新型微生物達の脅威と戦っていた。

7、日常の風景?
一、
僕の母はいつも何かを受信していた。

『お母さんは電波系〜息子サイド』より
二、
爬虫類なみに低体温の私は、布団から起きれなかったことで冬の到来を知った。三、
ベランダでばたつきながら鳴きまくるアブラゼミを下界に放った時、無事に飛んでいくのを見ると虚しい。

『夏の終わり』より
四、
最近、忙しすぎていろんな物がたまっていく。そうだ。「アレ」から片付けよう。五、
お母さんの受信機はどこにあるのと小一の息子に訊かれて、この辺かなと前髪を一束つまみ上げて見せた。
『お母さんは電波系〜母サイド』より


8、BL風味(ガチではなくライト)
一、
社内一の好青年といわれているアイツの夜の声を知っているのはオレだけだ。
二、
小学生の頃。転校初日の僕に、放課後、笑顔で遊ぼうぜと声をかけてくれた君の事が忘れられない。
三、
小さい頃から病弱でいつも健気に微笑むお前は愛しく、守るべき存在だった。そっと見守っていこうと誓っていた。それなのに。血がつながらないとはいえ、俺は兄として許されない事を考えている。
四、
国王が、兄貴が死んだ。
愚臣どもが暗殺したのは分かってる。しかも、俺を辱しめた写真をネタに傀儡の国王になれといってきた。
俺の大事な兄貴を殺し、俺を甘く見ている愚かさを奴らに思いしらせてやる。
五、
この街を出ることに決めた。あいつは俺の告白を聞いても以前と変わりなく接してくれるが、それがなんだか寂しかったから。


9、社会派もどき
一、
電車に乗ったら口裂け女達に囲まれた。

〜『最近のマスクについて』より〜

二、
日本において、夢の国と映画の都は対立しているともいないとも言える。

三、
猫が好きならば、かわいそうな猫を増やしてはいけない。

四、
この世界では、毎日、何かが消えている。

五、
味のある文章と悪筆は紙一重なのではないか?

書き出し小説のすすめ

一、
古代において、物事を客観的にみる能力と詳細に記載する能力を合わせ持つ者のことを人々は「神」とよんだ。


二、

心眼というが、心臓に目があったならば出血多量で死んでしまう。


三、

好きだから上達するのか、上達するから好きなのか。下手の横好きならどう考えるだろうか?


四、

世界中が敵になってもあなたが信じてくれるなら私は生きていける。


五、

今日という日の終わりを始まりの日にしようと思う。

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