アイデア置き場

□『大寒波』続き
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 電光掲示板の誘導どうり3番ホームに移動すると『H多方面行き15分遅れ』という文字が目に入った。
 俺はホームでじっと待った。待合室が無いホームだったので寒くても仕方がないと腹をくくったのだ。
 結局、それから30分して列車に乗ることができた。


 そして今。試験会場のトイレの中で頭を抱えている。中身は全部出たのに腹の動きが止まらないからだ。 K崎駅に着いたのは12時近くだった。近くのコンビニでサンドイッチを買い、会場の受験者控え室でさっさと食べた。S関駅で買ったペットボトルのお茶が冷たくなっていて体温を奪っていったが気にせずに飲んだ。その5分後に腹痛に襲われトイレに駆け込んだ。冷たいお茶のせいで腹の調子が悪くなったのかもしれない。
 トイレから出ると腹痛でトイレに戻る。その繰り返し。迫る試験開始時間。時計を見ると試験開始前15分。俺は焦っていた。


 だが。俺は腹痛に勝った。今は試験の結果を待つ身である。あの試験開始ギリギリまでトイレにいた恐ろしい日の事は決して忘れないだろう。
 ちなみに、試験勉強はほとんどやってない。 赤点を覚悟して受けた試験だった。でも逃げずに挑んだ自分に拍手を送りたい。


(終)

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