短い

□お隣さん
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まず初めに、挨拶遅れてすみません、だな。
一週間近く遅れてんだから。
そこら辺のマナーは父親にしっかり教わった。


ふぅ、と一息吐いてゆっくりとインターフォンを鳴らせば、ピンポーンと機械音がする。

どんな奴が出てくるのかドキドキしながら待つ。
………ものの、誰も出てこない。

え、マジで?
前回と同んなじパターン?
さっき家帰る音聞こえたのに。
あ、まさかあれ家出る音だったか。



「……出直す、かぁ〜……」
「おい、人ん家の前で何やってんだ」
「へっ…」
「お前だよ……何やってんだ…?」


出直そうとドアの前から離れようと思ったのに、後ろから聞こえた声に動くことができなかった。

そろそろと後ろを向くと、俺より背の高い、顔の整った黒髪の男。
きっとモテるんだろうな……少しズレたことを考えていると再びおい、と声をかけられた。



「ぁ……と、えっと、隣に引っ越してきたんだ。それで、挨拶をと」
「となりぃ……? あぁ、そういや一週間くらい前に越してきてたな」
「お、遅れてすまんかった……一回来たんだけどいなくて……」
「ふーん……ま、いいや。俺はグレイ。よろしくなお隣さん」
「お、俺ナツ! よろしくなグレイ!」




もーちょい続く
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