リクエスト
□風邪引き
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「ナツーーー!!朝だよーー?!」
「…………ぅ?」
今日はグレイと一緒にクエストじゃなかったの?
ハッピーの言葉に眠っていた頭が覚醒した。
そうだ、今日はグレイと二人で仕事だった。
いつもはチームで行くのだが、今日に限っては完全に二人きり……。
嬉しさで頬が緩む。
……ここまで言ったら分かるように、俺とグレイは、その、つ、付き合ってる……。
向こうから告白してきて、俺も好きだと伝えると凄く嬉しそうな顔をしていた。
あの顔可愛かったな〜……と、準備しねーと…。
ベッドから降りようと体を起こしたとき、普段感じない重みを感じた。
「………?」
「どうしたのナツぅー?」
「……いや、なんでもねー」
そそくさと準備をして、いってきまーすと家を出たナツ。
ハッピーは若干クエスチョンマークを頭の上に出しながらオイラも行くよーとナツを追ってギルドへ向かって行った。
「グレーーイ!!!!」
「ナツ! おっせーよ。早く行こーぜ」
走ってきた勢いのままグレイに飛びついた。
それを難なく受け止めるグレイ。
やっぱ、グレイの匂いって落ち着く……。
「……ん? なんかお前体温高くね?」
「あー? お前よりたけーよ」
それに走って来たからな!
笑ながら言うとグレイは口を押さえながら顔を逸らした。
なんだよ、失礼な野郎だな。
「(ナツ可愛すぎだろ!!!!)」
「グレイー? どうしたんだよー?」
「いや、なんでもねー……ほら、早く行こうぜ」
今回のクエストは近くの森に出現したモリバルカンの退治。
俺とグレイならすぐに終わるクエストだ。
だからハッピーも今日は留守番。
もしかしたらエルザたちと一緒に別のクエストに行くかもしれない。
「すぐ終わるよな〜」
「まぁな。だから今日は宿取ってゆっくりしよーぜ」
そう言って頭を撫でるグレイ。
気持ち良くて擦り寄るとグレイが自分の顔をなぐ……って
「お前何してんだぁぁぁぁあ?!」
「ナツが可愛すぎんのが悪いんだよ!! 天使め!!」
コッソリと二人の出発を見守っていたルーシィたちはバカップルめ、とため息を吐いた。
森へ向かっている途中、ナツは自分の体に違和感を覚えた。
「(やっぱ体重いな……)」
「ナツ?」
「あ? なんだ?」
「いや、調子悪りいなら言えよ?」
「そんなヤワじゃねぇよ!!」
そろそろ森に着く。
今更やめるなんて言えない。
敵はモリバルカン4体。
丁度2体ずつ片付ければいい。
アイコンタクトで二手に分かれる。
十分に距離をとったら魔法を発動させる。
「火竜の咆哮!!」
「アイスメイク ランス!!」
30分もしないうちにモリバルカンの呻き声も聞こえなくなった。
二人とも一息ついていると、ナツはまたもや違和感を感じた。
「楽勝だったな」
「(なんか、フラフラ……するな…)」
「おーい、ナツー? 依頼人とこにーーーナツ!!!」
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