短い
□お隣さん
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小説
年下×年上
薄い薄い壁の向こう。
この向こうには、どんな人が住んでいるんだろう。
物音はたまにする。ゴソゴソとかいろんな音。
でも引っ越してきてからというもの、未だに隣の住人に会ったことはなかった。
朝も早いらしく、俺が会社に行く前にバタバタと慌ただしく出て行く音がする。
多分男だろうか。
もっと早く起きたらいいのに。
あと、向こうも一人暮らしっぽい。
やっぱり音が一人分しか聞こえないし。
同い年なのかな。年上なのかな。もしやで年下かな。
「……考え始めたらすっげー気になってきた……」
どうにかして顔を見たい。
でもわざわざ家出るタイミング測って外に出るとかはしたくない。
なんか……あれじゃん。怖いじゃん。
できるだけ自然に、顔を見たい。
「どぉーしたもんか………ぁ」
キョロっと部屋を見渡して、目に止まった綺麗に包装された箱。
確か洗濯洗剤だった気がする。
隣に挨拶に行って渡そうと思ってたんだっけ。
確か初日来た時、家にいなかったんだよな。
んで諦めて、そのまま忘れてたんだな。
「……………」
とりあえず、着替えよ。
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