短い

□お隣さん
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「え、何お前学生だったの」
「逆にあんた社会人だったのか」




隣人に挨拶して次の月曜日。
今まで玄関先で出会うことなんてなかったのに、何故だか今日はピッタリ同時に家を出た。

結構俺より身長でかいから勝手に同期ぐらいかと思ってたが……まさか年下だったとは。
つか、こいつ社会人だったのかって聞いたよな。



「……俺そんなに子供っぽいか…?」
「えっ……あっと…なんていうか…同期ぐらいかと…」
「……………」
「……年下に見えました」
「……………」


結構ショックだ。
そりゃ若く見られるのは嬉しいことなんだが……学生に見間違えられるのは……。



「……俺、こう見えても25……」
「はぁぁぁ?! それは流石に嘘だろ! 見えても20だって!」
「自分の年齢嘘つかねえよ! コレ身分証明!」
「………マジ…かぁ……」



まぁはっきり言ってこんなやりとりは初めてじゃない。
2、3年前では同僚の奴たちと飲みに行こうと行ったら俺だけ未成年に見られたり……。
マジで辛い。

いや若く見られるのは嬉しいんだけどよ……。



「逆に俺、グレイって同期ぐらいかと思ってた」
「んだそれお前もかよ。流石に25じゃねーわ」
「それか大学生くらいかと……」
「よく言われるんだよな……俺ってそんな老けて見えんの?」
「大人っぽいってだけだろー。って時間やべえ!!」
「うおっ! 猛ダッシュしなきゃじゃねーか!!」



2人揃って猛急ぎで階段を下る。
生憎今住んでる所にはエレベーターなどという便利なものは無く、下りる術は階段しかない。

近所の人すみません。朝からバタバタして。

とりあえず心の中で謝っておく。


漸く下りきった階段の近くに停めてある自分の車に飛び乗る。
いつもは歩くが今日は仕方が無いであろう。



「あっ! ナツ車かよ! つか免許持ってんの?!」
「さっき身分証明見せただろ?!」
「まぁいいや。乗っけろよ。同じ方向だから」
「はぁ? いいけど……あれ。何で知ってんの?」
「…………じ、時間ねーだろ! 早く!」
「えっ、あっ、おう」



若干不思議を覚えつつ、エンジンをかけた。


「あ。そういやお前結局何歳? 高3くらいか?」
「え? ああ…高1だけど」
「………おっふ…」









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