ゆらゆらる。

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「ジャンってさあの子と付き合ってるの?」

「あ?あの子って誰だよ」

「キーリだよ」

「は?」



一日の訓練も終わりシャワーを浴びて部屋に戻ると、既に部屋でくつろいでいたマルコがそう言った。

意味が分からねぇ。どうしてそんな話が出てくる。



「だって最近よく一緒にいるのを見かけるから」

「馬鹿言え。んなわけねぇだろ」



大体俺が好きなのは…まぁ、言わなくてもいいか。こいつは俺とキーリの仲を分かってるはずだから。



「そうなんだ。同盟って訳でもなさそうだから、不思議だったんだ」



……あれ、そういやなんであいつは俺に協力してるんだ?

同盟みてぇなもんだと思っていたが、俺に利はあってもあいつに利はねぇはずだ。



「……よくわからねぇ、あいつ」

「キーリは優しいもんね」



そうだ、あいつはお人好しだから。
困ってる俺を見て助けようとしてるだけだ。
そうだ、そうに違いない。



「彼女、人気だからさ。男子にモテるんだよ」

「……」

「もちろん女子にもだけど。今日男子達から“キーリとジャンは付き合ってるのか”って聞かれちゃってね」

「!お前、それなんて答えた」

「“違うと思う”って言ったよ。だってジャンが好きなのはミカサなんでしょ?」

「……」



そうだ、俺が好きなのはミカサだ。






……なのに。



それなのに。



なんでこんなに俺は、



「……当たり前だろバーカ」



キーリのこと考えてんだ。





気づかない、フリ

(なんか変だ、俺)






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