執事たちの部屋

□星野Butler
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世界の大富豪の一つに鷹島グループがある。
ホテル、レストラン、遊園地、他にリーズナブルで庶民に親しまれるブランドやブライダルプラン、などを兼ね揃えた巨大財閥には、見目麗しい令嬢がいた。



【その執事、ヘンタイ】



鷹島の朝は比較的自由である。特に今日は、いつもよりのんびりできる日である。所謂、OFF日。




「お嬢様、本日のご予定はいかがいたしますか」
「OFFの日よ?星野。あと私の寝顔写真撮るのやめなさい」





スマホの連写音が止まる。「失礼」と小さくつぶやいてスマホを胸ポケットに仕舞うのは、当家の令嬢の執事である星野源(36)。栞に仕えて5年になる。




「源」
「はいお嬢様」



“源”の一言で何をしたらいいのかわかる星野は、いそいそとルームシューズを取り、履かせ、立ち上がるための手を取る。




「今日の天気は晴れかしら」
「そのようでございます」
「ねぇ、外でギター弾いてくれない?」
「ギターを...?」
「あなたの歌声、弾いてる姿、好きなの」




立ち止まる星野。栞が振り返ると、星野は少し顔を赤らめて「嬉しいです...」と呟く。




「僕もお嬢様が聞いてる姿、好きです」
「もっとちゃんと聞きたいと思うけど、どうしても集中できる場所って限られてくるし」
「あ…、一つご提案が...」
「何かしら?」
































「ネクタイなどで目隠しすれば音しか聞こえないので集中できますけど?」
「め…目隠し!!??」







星野は栞を抱き寄せ掌で視界を閉ざす。





「俺の声しか…聞こえませんよね」
「それ以外の声が…聞こえるわけないじゃない」
「効果、ありそうですね」





こうして未開拓の路線が開拓されていくのであった。




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(ちょっとドキドキしてますね)
(からかわないの)
(可愛い人ですね)
(可愛くない!!!!!!!!!!!)
 

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