執事たちの部屋
□菅田Butler
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世界の大富豪の一つに鷹島グループがある。
ホテル、レストラン、遊園地、他にリーズナブルで庶民に親しまれるブランドやブライダルプラン、などを兼ね揃えた巨大財閥には、見目麗しい令嬢がいた。
【その執事、毒舌】
「秋ね。。。」
ウェザーニュースの地方の気温を見て、栞は呟く。真横で生あくびを噛みしめ、涙目の菅田将暉は、栞の側近の執事である。
「あほぉ、はよ仕事せぇって」
「今、わたしが『秋ね』って呟いたことに対する暴言?」
「秋ねー、言う前に仕事してもらわんとはよ終わらんのですけど。何時にドコドコでって決めたんお嬢やで。もうどんだけぶっ飛ばしても間に合わんのやけど」
「もう遅れてしまうことは連絡してあるわ」
「はぁ?」
菅田将暉、御年23歳。若くして鷹島栞の執事として働いている。だが、少々口が悪いのは否めない。
「ねえ大将。」
「あのさ、仕事中に本名呼ぶのやめてもらっていいですか」
「なんで?大将」
「菅田、って呼んでもらってる方が仕事できます」
「あら、固くなっちゃって。こうでもしないと私に緊張してくれないでしょう」
「緊張て、、、」
はぁぁ、と頭を抱える菅田に、栞はクスッと笑う。
「たーいーしょー」
「なぁ、栞」
「あら、ご主人様よ」
「うっさい、なぁ、栞。仕事の時は菅田将暉で通してるねん、それを変えるいうことは、俺も変えるからな」
「どうしてよ。わたしはあなたに緊張してもらいたくてっっ、」
「あのさぁ」
栞は言葉に詰まる。菅田が栞の手首を握って抱き寄せたからだ。
「俺、こう見えて緊張してんの。わからへん?」
「ど、どこが」
「ほら、ドキドキしとるやろ」
そう言って大きな手で栞の頭を胸に寄せた菅田。
「緊張してへんかったら最初っからこんな態度してへんねん。照れくさいからこんなんなってんねん。ほんま、よう覚えとけ」
「偉そうね」
「男心分からんと執事屋さんなんかしとるからや、罰や罰」
そう言ってギュッと栞を強く抱きしめて赤面を隠す菅田だった。
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「ってことは、私のこと好きなのね」
「せや、好きや」
「!!!っっ/////」