執事たちの部屋

□福士Butler
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世界の大富豪の一つに鷹島グループがある。
ホテル、レストラン、遊園地、他にリーズナブルで庶民に親しまれるブランドやブライダルプラン、などを兼ね揃えた巨大財閥には、見目麗しい令嬢がいた。






【いじわる】






「お呼びでしょうか、お嬢様」
「ねえ福士?私の今日の下着合うかしら?」
「(クルッ///)はい、お似合いでございます」
「そんな一瞬で解るかしら?」
「み、み、見なくても解ります。それに、他の殿方にお見せになるのであれば余計私が見ない方が」





部屋を空けたらランジェリー姿の栞を見てすぐさま背を向けたのは、二十歳間もない好青年の新米執事、福士蒼汰。




おどおどしながら慌てふためく福士に、栞はクスッと笑い、少し哀れになって声をかけた。




「ごめんなさい、脅してるわけでも虐めてるわけでもないの。ただ純粋に似合うかどうか聞いただけなのよ?」
「申し訳ございません。不慣れな故全うできずに……、お許しを」
「いいの。それに、一つ訂正して良いかしら?」





服を着たからこっちを向いて!と栞。恐る恐る振り向く福士をそっと抱きしめる。





「私はね、そこらの殿方に下着姿をお見せするほど自分に自信なんてないのよ?見せたいとも思わない。けどね、あなたはこんな私でも可愛いと、綺麗と嘘でも仰ってくれるでしょう?だから、つい…」
「私も一つ申し上げます。」
「何かしら?」
「お嬢様はとてもお美しいです。もっともっと自信をお持ちください。そして……」
「そして?」
「こんなこと、申し上げて誠に厚かましいのですが……、もし、下着姿を、お見せになるなら、私だけに……して…くださいませ」
「んふふ、あらやだ。元々そのつもりよ?」







そう言って羽織っていたネグリジェを脱ぎ飛ばして目の前で赤面する年下の執事に抱きつく栞だった。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(お嬢様は意地悪です)
(あら、失礼しちゃう。可愛いから少し苛めたくなるだけよ?)
(一緒です)
 

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