執事たちの部屋

□小栗Butler
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世界の大富豪の一つに鷹島グループがある。
ホテル、レストラン、遊園地、他にリーズナブルで庶民に親しまれるブランドやブライダルプラン、などを兼ね揃えた巨大財閥には、見目麗しい令嬢がいた。





【お出かけ】







「ねぇ、旬。今から御船束(みふねづか)御用達のお店で会食なの。服と車を用意してくれる?」
「はい、かしこまりましたー。」
「間延びした返事は治んないのねー」
「や、これでも結構考えてんだよ。」
「何を?」






ヘラッと笑って綺麗な歯を見せこう言う。





「栞がさ、外に出たらー、まずいろんな男が見てくるでしょ?ヤだ」
「はい?」
「見た男が惚れてさ、栞に話しかけてさ、栞と意気投合でもしたら僕は狂うよ?」
「あのね、そんな夢みたいな話ないから」
「じゃあ狂って良いの?」






そう言ってベッドに押し倒してキスをする小栗。栞は真っ赤にした顔で「良いわけ……無いでしょ」と呟いた。





「だから、万人受けしない格好がないか考えてんだよ」
「あのねー」
「でもね?」




小栗は目を丸くして甘えたような声でこう言った。





「栞には、似合わない服なんて無いし惚れさせない要素なんて結局見当たらないんだよ。だから僕困っちゃった」
「か、可愛く言われても……」
「もうね、僕が考えた最高級の案はね。栞をこのまま出さないで置くのも手だなって」
「え、」
「嘘だよ。そんな事したら嫌われるもん。でも、それくらい僕は栞の全てに惚れてるから」





小栗の怒濤のアプローチにタジタジの栞。でもその反面そんな愛情も嬉しく思う。




「大丈夫、心配しないでも旬を手放すことなんて無いし、旬の前以外で素を出したりしないわ。いままでもこれからも」
「わかってるよ///」




不意に照れる小栗の頭をナデナデする栞だった。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(いつまで撫でる気?)
(可愛いからずっと)
(御船束の千明様とご飯でしょう?)
(しまった!!!)
 

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