執事たちの部屋

□西島Butler
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世界の大富豪の一つに鷹島グループがある。
ホテル、レストラン、遊園地、他にリーズナブルで庶民に親しまれるブランドやブライダルプラン、などを兼ね揃えた巨大財閥には、見目麗しい令嬢がいた。






【いたずら心】




静かなoffの日に栞は窓辺で読書をしていた。今度、会食する相手が読書好きの青年だと聞いて、ひさびさに戸棚から本を出してきたのだ。
ついでに、埃を被っていたので掃除もした。




「なに?ヒデ」
「や、珍しいなと思ってな」





勤務中だがお構いなくたばこを吸うのは、数多の女性を振り向かせるワイルド系美中年の執事、西島秀俊。




「私はoffでもあなたはoffではないでしょう?」
「だからこうして栞を眺めてんだろーが。」
「眺めてるなんて変な人」





横目でそう語る西島に、栞はため息をついて「好きなだけ眺めなさい」という。





「好きなだけ眺めろって俺変態じゃねーか」
「あら、違うの?」
「お前なぁ……」





俺は43だぞ、と後ろ頭を掻く。そんな西島に栞はクスッと笑って「そんなあなたも好きよ?」という。




「つべこべ言ってないでのんびり時間つぶせよコノヤロー。」
「ほんと主人に敬意のかけらもないのね」




クスクス笑う栞にため息をつきながら近寄る西島。




「どーしたの?」
「お嬢様、風が冷えて参りますゆえ、窓をお閉めくださいませ」




窓辺に座る栞ごと包み込むように窓を閉める西島。突然執事らしい態度をされ、なおかつ腰に響く声色で耳元に話してきた西島を照れた顔で睨む栞。




「んだよその顔は」
「こっちのセリフよバカ」
「ひでーな、敬意を示してやったらそれはそれで怒るし」
「違うわよ、ちょっと自分がかっこいいからってあんなことしたらドキドキするに決まってるじゃない!バカ」







フフッと笑い出す西島。栞はキョトンとする。





「お前はいじめ甲斐があるな。そういう反応をするからたまんねーんだよ。」
「なっ!!」





形勢逆転したお嬢様と執事は、また元の通り時間を過ごしていくのだった。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(可愛いからいじめたくなるんだよ)
(嫌われても知らないわよ)
(嫌わねー程度にやるけど?)
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