執事たちの部屋

□佐々木Butler
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世界の大富豪の一つに鷹島グループがある。
ホテル、レストラン、遊園地、他にリーズナブルで庶民に親しまれるブランドやブライダルプラン、などを兼ね揃えた巨大財閥には、見目麗しい令嬢がいた。



【朝のひととき】












「お嬢様、朝でございます。朝食の準備が出来ております。」
「おはよう……、ねえ、体が痛くて起きれないの。起こしてもらえる?」
「ふぅ、なんや、そないに夜が激しかったかぁ?」
「あらやだ、失礼しちゃう。こうなったのもあなたの所為でしょ」
「これはこれは失敬」





恭しく声をかけたかと思えば突然砕けた京都弁でセクハラ発言をかました、当御令嬢専属執事勤続15年を誇る、佐々木蔵之介。
御年46の美中年である。




「昨日やらないって言ったのに蔵之介がフラフープでどっちが長いこと出きるか競争しようや!とか年甲斐もなく言うから」
「や、あれは俺が勝ってんから文句言いは無しやったやろ?」
「寝付くまで隣に居させてっていう願いを叶えるためでしょ?よくわかんないわ、結局一緒に寝てたじゃない。ま、執事だから先に起きるのはわかってたけど」
「栞の寝顔可愛かったでー。抱き枕にも丁度ええわ。」
「堂々とセクハラ発言するのね、別に良いけど」
「栞以外にしてへんのやからええやろー。他にしてもええんやけど」
「だめ!!!絶対だめ!!!」
「わーってるて。そないムキならんでよろしい。」




そうして、ヒョイッとお姫様だっこをする佐々木。




「こんなことするん栞だけやねんから。俺は他にはこんなんしたないし。せやから、死んでも離したらへん」
「ふふふ、ありがとう蔵之介。」





首に腕を回して栞はそっと耳打ちした。
佐々木は立ち止まって赤くなる顔を見せないよう上を向いて、「お前なぁ……」と一言絞り出した。




そして、周りを見渡し誰もいないのを確認して、抱いている栞の唇にキスを落とした。







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(好き♡って言われたら止まらんくなるやん?)
(♡一個じゃないわよ?)
(!!!!!!押し倒して良い?)
(だーめ)
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