夢小説。発展

□理想の女。
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やっと見えてきた先には
小ぢんまりとした綺麗な街並み。

夕べの灯りもチラホラ点いている。

港には軍艦の様な船が見える。

自身の光で気取られぬ様に
街より少し離れた森の中に舞い降りた。

邪魔な木を多少蹴倒しながら
街の方に向かうと

小さいながらも、中々活気のある雰囲気だ。

もちろん薬屋もあるだろう。
おれは小走りで街を見て回った。

看板が上がっていて
イラストが描かれている。

酒場、宿屋、服屋、レストラン……

キョロキョロと見渡して居ると

正義の文字の書かれた服をまとっている海兵も幾人かいる。

そちらもおれに気付いて警戒はしているようだが
流石に喧嘩を売る度胸のあるやつは居ないらしい。

こちらとしても今 厄介事に巻き込まれるのも面倒だ。
早くこの島の事を把握して
薬を持って帰らなくては………

気ばかり焦って前方を見ると、

そこに居たのは海軍中将 ガープ……

「嘘だろいっ!?」

こんな名も知らねぇ様な街に何で居るんだよいっ!!
思わず路地に入る角に隠れて様子を伺う。

誰かを探してる風ではない。
たまたま居合わせたのか?

あんなのと関わったら時間がかかって仕方ない。

チッと舌打ちだけして
渋々路地の奥の方に進むと、
暗がりに薬のマークの看板を発見した。

偶然とは言え、ラッキーだ!!
こんな場所誰かに聞きでもしなければ見つからなかったかもしれない。

まだ店は開いている………はずだ。
少なくとも鍵はかかっていない。

薄暗いのはランプが小さいせいかもしれない。
薄明かりがどことなくムーディーと言えなくはない。

広いカウンターの奥一面に小さな引き出しがある。見目は悪いが、品揃えは良さそうだ。

カウンターに置かれた小さな呼び鈴を鳴らすと
横奥からパタパタと人がやってきて
おれの目の前まで来て見上げた。

店番は小柄な女。
田舎の街には似つかわしくない美女。ブロンドの髪は腰ほどまであって、それを緩く一つにまとめている。
清楚で、まさにおれの言っていた理想の女のタイプ。

その女は、おれを見て
酷く驚き、手で口元を抑えて固まった。



「……………不死鳥の……マルコ」

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