青いひよこの夢

□モザイクカケラ
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綺麗で歪なそのカケラ拾い集めては君にプレゼントして。
君は1度も喜んではくれなかった。
そんなもの拾い集めないで。そんなのいらないと僕に返して捨てるんだ。
こんなにも綺麗なのに。
形は歪だけれどとても綺麗なカケラ。
君には何故分からない?この美しさ。
どうしてそうも嫌うんだ。僕には分からない。

君と別れて3年後。親友が出来た。
今も僕はカケラを拾い集めてる。
でもあげることはしなくなった。
怖いんだ君がしたように捨てられてしまうのが。

ある日いつものようにカケラを拾い集めてた。
すると親友がこちらへやって来た。僕は集めたカケラを隠した。
すると親友はカケラを拾い集め始めた。
とても驚いた。

親友は僕が手に隠したカケラを見てこれちょうだい。と言って僕の手からカケラを取ってポッケに入れた。
驚いたまま固まっている僕を見て、親友は笑って手を差し伸べた。
それは僕にとって初めての事だった。
いつもカケラを拾い集めて誰かにあげるといつも汚いと捨てられたから。

途端に涙が溢れ出た。胸が何かでいっぱいになって苦しい。溢れる様に涙が止まらないんだ。
けど凄く嬉しいんだ。親友は微笑いながら僕を抱き締めた。子供にするようにぽんぽんと背中を叩きながら。
そのまま親友の胸に縋って泣いた。

親友は綺麗だねと僕とカケラを見て言った。
お前もこのカケラもとてもきらきらしていてとても綺麗だ。眩しいくらいに。
そう言って親友はまた微笑った。

それは僕の存在が認められた日の話。
親友のお陰で僕が僕の存在が僕の人生がやっと輝き出した日の話。

今も僕は親友と共にいる。まだカケラを拾い集めてる。最高の親友と一緒に。

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