青いひよこの夢

□それでも君は俺の相棒
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ぴかっ
急に明かりがつけられる。
大きなスクリーンの前にはこの研究施設のボス。今回のお宝の持ち主、いや持ち主だった。
「やぁルパン三世。流石、見事な盗みだ。」
でっぷり太ったその体。二重顎の口が動く。
「これはどうも。お宝は頂いていくぜ」
「ふっふっふそれにはもう興味はない。くれてやる。それよりもっと欲しいモノができたんでな」
「何?」
「それは君だよ、ルパン三世!私は随分前から君が欲しかった。それは君をおびき寄せる餌に過ぎない」
「・・・」
「そして君はまんまと餌に食いついた。なんと心待ちにしたことか!!」
「それで?俺をどうしようってんだ?」
「君を私の部下にするのだ!」
はぁ...全く、俺を欲しいと狙ってくるやつがまだいたとは...次から次へとまるでゴキブリのように湧いて出てくる。
「俺様はてめえの部下になんかなる気はこれっぽちもないんだがな」
何十回と繰り返されたお決まりのセリフ。しかしやつは気持ち悪い笑みを浮かべた。
「そうだな...君は脱出の名人だ。だが洗脳して使ってもおもしろくない。そうだな...」
やつはそう言うと足元のタイルを踏んだ。すると足元から出てきたのは一台のパソコン。キーボードを叩いて何か探しているようだ。
するとやつの手が止まり、急に笑いだした。
「そうだ...!そうだ!これがいい!!ふっははははは!」
そしてまたやつの足元から小さなビンが出てきた。中にはピンク色の液体が入っていた。
「男だと力もあって躾けるのにはちと面倒だしな」
俺は途端に嫌な予感がした
「まさか...」
「ふふ...お前を女にすればいい!!そうすれば躾もしやすいし、何より私は男はな好まん...」
やつはこちらを見ながら唇を舐める。背中に悪寒が走った。
「狂ってやがる...」
突然俺とやつの間にある左側のドアが勢いよく開きやつの部下と次元が飛び出してきた。次元に襲いかかる男を銃で撃つ
「次元!」
次元のそばに駆け寄り肩を貸す。やつとは距離を取りながら。
「ルパン、俺は大丈夫だ。」
次元はよろめきながらもしっかりと立ち上がる。
やつは後から駆けつけた部下たちに命令する。
「ルパンを捕えろ!!」
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