青いひよこの夢

□相合傘
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ルパンはあの女が好きだった木の前に立っていた傘も差さずに立っていた
いつものあの自信に道溢れた赤い背中が今はただ哀しく雨に打たれ濡れていた
ルパンの背中を黙ったまま見ている俺にルパンは問いかけた
「なぁ…次元お前ならあの時どうした?」
「分からない…でも、少なくともお前さんと同じ事しただろうな」
「そうか」
只それだけ
それだけ聞くとルパンはまた黙り込むそのまま10分位経っただろうかルパンが小さなくしゃみをした俺はハッと気付き持っていた傘をルパンに差した
「ルパン風邪引くぜ帰ろう」
「ん、あぁ…そうだな帰ろう」
ルパンと俺はその場所から立ち去った…もうここには来ないだろう
ルパンと2人相合傘してアジトへ帰るおっさん2人の相合傘なんて気色悪いだけだが今はルパンが風邪引かないならいいかとか性懲りもなくルパンの事ばかり考えてた

帰ったら温かいスープでも作ってやろうきっと冷えきって凍えて寒いだろうから

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