青いひよこの夢

□I think this means unknown
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目の前にルパンが立っているいつも見てるあの赤い背中ルパンがゆっくりと振り向くルパンが何か言っている聞こえないルパンが歩き出す待って待って待ってくれそう叫んでいるのに何も聞こえない追いかけているのに追いつかないルパンは黙ったまま歩いてる俺は走っている。なのに追いつかないむしろどんどん離れていくルパンが遠い必死に手を伸ばす届かないあと数十メートルなのにいつもならすぐ追いつくのに
ふっとルパンが消えた周りを見渡す何もない誰もいない、いるのは俺だけ叫ぶあいつの名前を必死にあいつを探す名前を呼ばれた気がして後ろを振り向くとルパンがいたほっとした今度こそ手を伸ばす
「ルパン」
とんっ
ルパンに胸を押されるよろめく体が傾く後ろを見ると暗い崖さっきは無かったのにルパンは笑顔で俺を見て
「バイバイ次元ちゃん」

「次元!!」

はっと目を覚ます目の前にルパンがいた

「ルパン・・・?」
「大丈夫か!?お前うなされてたぞ?なんか怖い夢でも見たか?それともどっか痛むのか?おいじげっ」

そっとルパンに触れるすぐ触れられる距離にルパンがいる今度はちゃんと触れる目から水が零れ溢れ出る

「次元・・・?」
「ルパン・・・ルパン、ルパン」
「大丈夫俺はここにいるぞ次元」
「ルパン、ルパンルパンルパンルパン・・・置いてっかないでっルパンっ俺をっ捨てっないでっ」
「次元俺を見ろ、俺はお前を置いてったりしない捨てたりしない絶対に。絶対にお前を離さない、離すつもりもない」
「ルパンっ」
「だから安心しろ泣くな次元」

水が溢れ出て止まらない子供のように泣きじゃくるルパンにしがみつく絶対に離さないとばかりに
それからルパンにしがみついたまま泣いた溜まった水がからっぽになるまで
ひとしきり泣いて水は止まったでも動けなくて動いたらこの手を離したらまたあの夢のようになるんじゃないかと怖かったルパンは俺を落ち着けるように俺を胸に抱いて頭をぽんぽんと撫でてくれた

「大丈夫ー俺はここにいるからねー次元よしよし」

しばらくそうしててやっと俺は落ち着いて掴んでた手を離した顔を上げルパンを見るそしたらある言葉がこぼれ落ちた

「好き」

自分でびっくりしたまさかそんな言葉をルパンに向かって言うなんてルパンもびっくりして固まってた
すると固まってたルパンが口を開く

「次元今のほんと?like…とかじゃない?」
「えっ…あっわかん…ない…」
「…そっか」
「わかんないけど…多分like…じゃない…と思う」
「次元ごめん」
「へ?」

するといきなりルパンが顔を近づけてきて唇に何か柔らかいものが触れたそれがルパンの唇で俺はルパンにキスされてるって分かるのに数秒かかった
体をルパンから離そうとするでもルパンの力は強くて簡単には離れないとんとんルパンの胸を叩いて漸くルパンは離れてくれた…けどすぐ抱き締められる

「んっルパン」
「次元好き。好き、好き好き」

ルパンから『好き』が溢れてる俺はルパンに『好き』って言われて嬉しかったやっぱり俺はルパンのこと『好き』なのか?
そっとルパンの背中に手をまわすルパンと2人抱き合ってるルパンの鼓動(おと)が聞こえるちょっと早い鼓動
とくとくとく
俺の鼓動も聞こえる
とくんとくんとくん
心地いいルパンと抱き合ってるとドキドキするそれに何だか嬉しい
また俺の口から言葉がこぼれ落ちたしかし今度はちゃんと意思を持って

「ルパン好き」
「次元…」
「ルパンが好き」
「ん、俺も次元が好き」
「うん」
「好き。好き、好きだ次元」
「うん。俺も好き。好き、ルパンが好き」

しばらくそのまま抱き合ってた『好き』はとめどなく溢れ出て止まらないルパンを抱き締めながら言葉を紡いだ
ルパンから溢れ出る『好き』と俺から溢れ出る『好き』心地いい互いの鼓動(おと)嬉しい、幸せだと感じる
もう息は苦しくない胸も痛くない

「ねぇルパン」
「ん?なぁに次元」
「…ぁぃしてる///」
「!次元もっかい、もっかい言って?」
「…ぁぃしてる////」
「聞こえない」
「…あい…してる////」
「俺も、愛してる」

真正面に言われて顔が熱くなる顔は真っ赤だろう鼓動が早くなる
とくとくとくとくとくとく

「次元」

名前を呼ばれるまた鼓動は早くなるもうどっちのかわからない鼓動が
鼓動(おと)は溶ける2人の鼓動は混じりあって溶けたみたいだ
くいっと上を向かされるキスをされた甘い甘い優しいキス
こぷっとまた鼓動は言葉は溢れ出る唇が離れる見つめ合う

「ルパン…」
「次元」
「「愛してる」」

次に目が覚める時はどうかこの幸せな時間が永遠に続きますように
そう願い2人眠りに落ちた
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