LIAR LOVE
□逃れられない女
1ページ/7ページ
プルルル………プルル……ル…
今日も携帯の着信音が鳴り響く。
只今の時刻、午前2時。
私、野島 愛架は携帯を開くと、画面を確かめた。
画面には“拓也"と書いてあった。
私は、急いでボタンを押した。
『もし、もし……』
少しあいた沈黙が恐くて少し声が震える。
「電話に出るのおそい、今すぐ俺ん家へ来い」
そう言うと、電話を切った。
ベッドから降り、ジャージに素早く着替えると、ゆっくりと階段を下り、音がしないようにドアを開けた。
急いで自転車に乗り、全力でペダルをこいだ。
…っ早く行かないと…早くしないと…っ…また…
私は人目も気にならないほど必死だった。
はあっ……はあっ……はぁっ…っ……
息を切らしながら、家についた。
自転車をとめ、急いで玄関まで行き、インターホンを押す。
ピンポーン
静かな朝にインターホンの音が響き渡る。
それにしても、外は暗くて寒い。
両手を温めながら、拓也が出てくるのを待った。