ブラコン
□ポッキーゲーム
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「・・・あぁ、ゆうちゃん。おかえり〜♪」
家から帰り5階の共有スペースに行くと、かな兄がポッキーを食いながらソファーに座っていた。
「かな兄。今日は早いじゃん。仕事は?」
「今日の仕事は夜から・・・♪それよりゆうちゃんも早いじゃん。・・・妹ちゃんは?」
「え、アイツは・・・委員会で遅くなるってよ。それより腹減ったー。かな兄、それくれっ!!」
俺もソファーに腰掛けると、かな兄の持っていたポッキーの箱に手を伸ばした。
箱の中にはまだ2袋くらい入っていた。・・・かな兄だけで食うなんて許さねぇ!!
「え〜やだ〜、コレ俺のだし〜。台所にもコレ1つしか無かったんだよ〜?」
「だ〜か〜ら〜!!まだ箱の中にケッコー入ってンじゃん!!ちょーだいっ!!」
「俺もお腹空いてんの〜。ゆうちゃんよりも俺
の方が胃袋でかいしさ〜?」
くそっ、かな兄め!!
「あっ、そうだ。ゆうちゃん、ポッキーゲームしよ?
そんで、ゆうちゃんが勝ったらコレ全部あげるから」
かな兄はポッキーの箱を掲げた。
「ポッキーゲーム・・・?何それ」
「まぁ、いいからいいから」
そう言ってかな兄は袋の中からポッキーを一本取りだして、片方をくわえた。
「はい、ゆうちゃん反対側から食べてね〜」
「は・・・?何言ってんの、かな兄・・・」
俺は軽くひいた。
ポッキーゲームがどんなモンか知らないけど、かな兄は俺に何させようとしてんの!?
「だ〜か〜ら〜、ゆうちゃんはそっちから食べて?」
ホストな営業スマイルでかな兄が言ってくる。そんなかな兄が少し可哀想になってきた。
「・・・こっちから食えば良いの?」
「うん♪で、先に口離しちゃった方が負けね〜」
「うん・・・」
「じゃあ、(ポリポリ」
俺は完全にかな兄の言葉を聞き流していた。
「「(ポリポリ」」
二人でポッキーを食べ進めていく。
・・・・・・!?なんだか、かな兄の顔が・・・すんげー近いっ!?!?
「(チュッ」
「んっ・・・!!」
いつの間にか俺たち二人の距離はゼロになっていた。
「んっ・・・はぁ。俺、妹ちゃんの事も好きだけど、ゆうちゃんのことも好きだから」
かな兄の唇がおれのを離さない。すぐ近くで息づかいが聞こえる。
そして、誰かが来ないなんていう保証もないのに俺たちは長い時間唇を重ね合った。
「おれ・・・も」
もうポッキーの事なんて頭に無かった。考えてるのは目の前の兄の事。
愛すのに兄弟なんては関係ない。それはかな兄の熱いキスが教えてくれた。