短編小説

□夜はこれから
1ページ/2ページ

―主人公side

「あ…
まだ慎ちゃんも龍馬さんも起きてるんだ…」

夜トイレに行こうと廊下に出ると、
まだ慎ちゃんと龍馬さんの部屋の電気がついているのに気づいた。

「お仕事、最近忙しそうだもんなぁ…。
…そうだ、お茶持って行こう」

台所でお茶を作って、早速部屋に向かう。

「龍馬さん?起きてます?」

「ん?起きてるぜよ?」

「あの、お茶を持って来たんです。
失礼してもいいですか?」

「おう、いいぜよ。ありがとう。
すまんの、世話をかけて」

「いえいえ」

「そうは言っても…
こんな夜中に男の部屋に入るのは…いやじゃろ?」

「え?そんな事ないですよ。龍馬さんの部屋に入るのは全然嫌じゃないですよ。色々お話出来て楽しいですし」

「……」

「龍馬さん?」

「…そう、なんか」

龍馬さんは片手で口を押えながら赤くなっている。

「はい。あれ?
なんか顔赤いですけど、大丈夫ですか?
風邪ひいてるんじゃ…」

そういいながら龍馬さんに近付き、
龍馬さんのおでこに手をあててみる。

あれ?
龍馬さん、さらに赤くなった?
…と思ったら急に龍馬さんが丸い目になった。

「ち、ちと…ほれ、後ろ、見てみぃ!」

「後ろ?」

振り向くとそこには。

「龍馬さん、姉さん。
何してッスか?」

いつの間にか閉めたはずの襖が少し開いており、
こっちを凝視してる慎ちゃんがいた。

「中岡!な、なーんもしとらんぜよ!!」

「龍馬さんにお茶出してたんだよ。慎ちゃんの部屋に次行こうと思ってたの」

「へぇ〜そうなんッスか、へぇ〜〜〜」

「中岡…なんじゃその目は…疑っとるんか…?」

「いえ、疑ってないですよ。
姉さん、次はおれにお茶持ってくる予定だったんスよね?」

「う、うん、今持ってくね!
龍馬さん、失礼しました」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ