勇者さんの旅路。
□アプファルート2
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『パーティ1組で1枚ですよ?行き渡りましたーっ?余ってるなら、前に回して私に届けてくださいねっ』
一番前にいるから、うるさく聞こえるんだよな。
本当にうるさいキンキン声だ。
『いいですか?紙に書いてある、自然の物っ!それを3個ずつ採って来て、広場で待っている私に届けてくださいねっ』
「パニュマシュ」
ユキが俺達に紙を見せる。
聞いただけだと、ユキが馬鹿になったようにしか思えない。
「あ、キノコだ〜」
「マッシュルームの仲間だって書いてあるよ」
『森は、私の後ろを真っ直ぐ行った、冒険者ストリートを抜けて左右に同じぐらいの距離にありますからね!ちゃんと、どちらの森かは紙を見てくださいね〜っ』
周りの冒険者が一斉に紙を見て、ざわつく。
「ギミティの森。出て右ですね」
「地図まで載ってんのか、便利だな〜……」
「じゃなきゃ、どんだけケチなんですか、こちらは初心者ですよ」
……アイは刺々しい。
『早く持って帰ってきた順に豪華な報酬が待ってますからね〜っ!頑張ってくださいっ!
ちなみに、スタートは私が切りますが、冒険者ストリートを通るんですから、準備して行った方がいいですよっ?』
「何だ?ライトか?」
「防具とか、袋?」
「武器はあるわねぇ」
「傷薬もでしょうっ」
冒険者達が一斉に相談し始める。
「ライトですか、私の魔法でいいですよね」
「さっき傷薬安かったから買ってきたんだよ〜」
「その傷薬を入れてる袋持っていけばいいと思うんだ」
「……魔物(モンスター)は任せろ」
俺、何しようか…死にませんように………