勇者さんの旅路。

□アプファルート
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時刻はおやつ時だろうか……


「皆〜おっやつっのじっかんっよ〜」

広場では袋に包んだクッキーを配るお姉さんがいた。


「あれ、受付嬢?」

「あれが受付嬢だったら変わりすぎじゃないか?」

ユキとベンチに座ってぼーっと駄弁っている。


後ろから噴水の騒がしい音が聞こえる。



メルフェスとアイは、お姉さんの所へ駆けていった。

ああいうところは、子供なんだなぁ……


エプロンしたままどこの家から出てきたんだか、

お姉さんの周りは子供達が群がっている。



こうやって誰かのために、何かを作るって人もいるもんなんだな。


「オレも貰いたい」

「俺達は年的に駄目だと思うんだけど………」

「しゃがんで行こうぜ」

「大人げ無さすぎるだろ」



勿論、くだらないこと喋ってるけど
ちゃんと温泉街入り口付近を中心にパルテを探している。


「お腹すいた」

「あんだけ昼飯食ってたのにか?」

「腹時計が正常なの」

「あとで何か食い物見つけたら買おうか」

「おう」


子供達の保護者もいるのか、
お母さん方は世間話でもしてるんだろうな。

更に賑やかになってきた。


「肉食べたい」

「高くね?おやつなんだから、お菓子とかじゃないの?」

「そういえばさ」

ユキがこちらを横目で見て





「宿代ってどこにあんの?」


「金持ってないんだけど」


「キト、馬鹿だなお前」
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